3連覇を飾った神村学園高校【写真:平野貴也】

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高校総体サッカー鹿児島決勝、神村学園が3連覇

 鹿児島県の技巧派集団がインターハイ全国大会に一番乗りだ。「南部九州総体2019」(7月24日〜8月20日)男子サッカーの鹿児島県大会決勝戦が25日にOSAKO YUYA stadium(加世田運動公園陸上競技場)で行われ、神村学園高校が3-0で出水中央高校を破り、3連覇を飾った。

 神村学園は、試合の立ち上がりにピンチが続いたが、前半途中の給水タイムでスタッフから「緊張しなくて良いから」と声をかけられると、少しずつ攻撃のテンポを上げていった。前半26分、主将の軸丸広大(3年)の縦パスを受けたMF濱屋悠哉(3年)が相手に倒されてPKを獲得。濱屋が自らシュートを決めて先制した。濱屋は「決勝戦で、めちゃくちゃ緊張していたけど、PKを決められて良かった」と安堵の表情で試合の立ち上がりを振り返った。

 チームの持ち味が発揮できたのは、リードしてからだった。後半は、開始直後の1分間に2本のシュートを打たれるピンチがあったが、試合を優位に進めた。後半7分、MF永吉飛翔(2年)がミドルシュートを決めてリードを広げた。点差に余裕が生まれた神村学園は、チームのテーマである「相手を見て、相手の(予測の)逆を取るサッカー」でボールを奪いに来る相手をパスワークで翻ろう。試合終了間際には、濱屋がドリブル突破からセンタリングを上げ、途中出場のMF大迫魁士(3年)がダメ押しの3点目を押し込んだ。

守備陣は6試合連続完封、攻守に伸びしろは十分

 神村学園は、2006年度の高校選手権、07年度のインターハイで全国4強に入ったことのある強豪。攻撃時に小気味良いドリブルとショートパスを使い分ける選手が多く、人数をかけたコンビネーションサッカーが魅力だ。今大会は初戦でいきなりPK戦にもつれるなど、守備固めをする相手に苦戦しながら勝ち上がったが、尻上がりに調子を上げて来た。前線で起点を作れるFW若松勇斗(3年)は、負傷により今大会を欠場したが、全国大会には間に合う可能性がある。全国大会では、より攻撃的なサッカーで観衆を魅了するだろう。

 一方、守備陣は、全6試合で完封に成功した。DFアン・デービッド(2年)は、韓国人の両親を持ち、カナダで育った留学生。まだ日本語のコミュニケーションは十分ではない。その上、今大会直前にFWからコンバートされたばかりで、守備の連係に不安を抱えていた。

 しかし、持ち前のスピードとパワーで無失点に貢献。同じセンターバックでコンビを組んだDF稲田翔真(2年)は「僕が英語で話すことができないので、コミュニケーションを取りにくかったけど、身ぶり手ぶりのジェスチャーでやるしかなかった。ここまで失点ゼロで勝ち上がって来たので、決勝戦でもそれは守ろうと思っていた。序盤は緊張して危なかったけど、GKの吉山太陽(2年)に助けてもらった」と完封優勝の達成感をのぞかせ、笑顔を見せた。攻守両面に伸びしろのあるチームと言える。さらに成長した姿で挑む全国大会でも注目だ。(平野 貴也 / Takaya Hirano)