まわりが笑ってるのに自分が楽しめないヤツは売れない。品川祐が語る「成長のための3カ条」
「成長する方法」「“売れる”方法」というテーマでは、いろいろな人がいろいろな持論を語っています。
そのなかのひとつとして、「若いころは苦労に直面すべきだ」という意見がありますよね。とはいえ、そう言われても僕らが今日からできることはあるんでしょうか? 苦労を乗り越えて売れっ子になった人に、そのノウハウをきいてみたい!
今回は、品川庄司の品川祐さんに、「若手が成長し、売れっ子人材になる方法」をきいてみました。
品川さん:
いや俺、売れてもないし成長してもないからわかんないですけど…
天野:
そう言わないでください!
たとえば若手のころどう過ごしてたのか、教えてくださいよ。

【品川祐(しながわ・ひろし)】1972年生まれ。1995年に「品川庄司」を結成。2002、2004年にM-1グランプリ準決勝、2005年に決勝進出を果たすなど実力派漫才師として頭角をあらわし、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)など数多くのバラエテイ番組に出演。映画監督「品川ヒロシ」として『ドロップ』『漫才ギャング』『サンブンノイチ』などの作品を撮るなど幅広い分野で活躍中
ノーギャラでもいい。現場に顔を出すべし
品川さん:
そうだな〜、若手のころにやったことのひとつは、とにかく「現場に顔を出す」こと。
俺らが若手のころは「前説王」って呼ばれてて、ひたすら前説の現場にいたの。
一時期は17本ぐらいの番組で前説やってたのかな。
天野:
そんなに!
品川さん:
そうですよ。前説といえば「東の品川庄司・西のビッキーズ」っていわれてたぐらいだったから。
※ビッキーズ…1996年に結成された、木部信彦と須知裕雅のコンビ。2007年に解散

…すごいのかすごくないのかよくわからない通り名
品川さん:
若いころ、俺すごいミーハーだったから「うわ〜、ロンブーさんだ」みたいに現場にいると楽しくて。
でも、未熟な状態で現場に立ってると、絶対ちょっとしたトラブルがあるのね。
天野:
はい。
品川さん:
何回分も番組を収録する日だと、合間に6回とか7回前説の出番があるんですよ。そうなったら、「やべえ、同じ話してもお客さんきいてくれないじゃん」って焦って。
それでだんだん、「漫才っぽいネタにしてみようかな」とか「早く終わらせてフリートークしようかな」とかやってみるようになる。
最長で1時間フリートークしたこともありました。

前説の域を飛び越えすぎだが、この人ならやりそうである
天野:
どんな感じで盛り上げてたんですか?
品川さん:
「携帯電話はマナーモードにしてください」っていう注意事項を説明するとしたら、「携帯電話をお持ちの方はマナーモードに。PHSをお持ちの方は…」「いやPHSって古いよ!」。
天野:
(笑)
品川さん:
「音が鳴ると番組のジャマになりますから、携帯電話をお持ちの方は解約してきてください」「やりすぎだろ!」っていうのもあった。
天野:
さすが、スラスラ出てきますね!
品川さん:
あと、「僕らのこと『いいとも!』で観たことあるっていう人いますか〜?」ってきく。そうするとパラパラ手が挙がるんです。
そこで「まあ僕ら『いいとも!』出たことないんですけどね」って(笑)。

前説王当時の記憶がよみがえっている品川さん
天野:
「現場に呼ばれるようになる」ためにはどうしたらいいですかね?
品川さん:
めっちゃシンプルに「ノーギャラでいいんで、前説やらせてください」ってずっと言ってたんです。
天野:
前説の仕事って、普通ギャラは…?
品川さん:
出ます。
それで、口コミが伝わったのか『HEY! HEY! HEY!』とか『ロンドンハーツ』『さんま御殿』の前説に呼んでもらえるようになったの。
『ココリコミラクルタイプ』の前身番組でも前説やって、レギュラー化したときに出させてもらえるようになりましたからね。今思えば仕事につながってる。
天野:
ノーギャラって、若いころは厳しくないですか…? 「プロならちゃんとお金を取るべきだ」っていう意見もありますよね。
品川さん:
でも、言ったほうがいいと俺は思いますよ。
「タダでいいから前説やらせてください」って言ってくる若手がいるってだけで、ほかと比べて「じゃあやらせてみようか」ってなるはずなんですよ。
それに…それで本当にお金払わないプロデューサーなんていませんから!(笑)

忘れてた、この人は策士なんだ
「まわりにこう見られたい」を早くなくすべし
天野:
逆に今振り返って、ご自身のよくなかったところってありますか?
品川さん:
まわりからどう見えるかばっかり気にしてたところ。
若いうちは誰でもある「こう思われたい」っていうのをなるべく早くなくすといいと思います。

天野:
品川さんはどう思われたかったんでしょう?
品川さん:
ダウンタウンさんですよ。ああいう「カリスマ芸人」に見られたいと思ってやってた。
けどねー、そういうカッコいい人になろうとするほど、まわりから苦笑される感じになってたんですよね。

品川さん:
『アメトーーク!』で「おしゃべりクソ野郎」ってイジられたとき、「えっ、みんな俺のことそんなふうに思ってたんだ!!」ってすごいショックだったんですよ。
天野:
えっそうなんですね…“おいしい”感じじゃなかったんですか?
品川さん:
いや、アレを楽しめるようになるまでは、時間かかったな〜。
格闘技と一緒なんですよ。試合中はアドレナリン出てるから、殴られても痛くない。
その場ではドカン!とウケたから大丈夫だったけど、次の日ネットとかで「品川ざまあみろ」みたいな言葉を見かけて、ウッ…と。

品川さん:
『どうした!? 品川』ぐらいから、「これおいしいかもなあ…」みたいにようやく思ってきた。
本当はすぐ面白がれてればよかったんですけど、「まだそんなふうにカッコわるく見られたくない」っていう気持ちがあったから、時間がかかっちゃった。
見られ方気にして、まわりが笑ってるのに自分だけ楽しめてないヤツは…売れないですよねえ。
天野:
自分を装わないように変化できたのはなぜなんでしょう?
品川さん:
結局、世間の反応を見て本当の意味で自分の器を知ったというか。カッコいいことだって、木村拓哉さんや松本(人志)さんがやったらカッコいいけど、俺はそういう器じゃなかった。
たとえば彼らがタバコ吸っててカッコよかったとしても、俺が「この角度カッコいいな」とか思いながらタバコ吸ってたら、それはもうカッコわるいでしょ。
だからそれ以来、話のオチは必ず「カッコわるい」で終わらせたいと思ってます。

「品川えんためクリエイト」オンラインサロンの洗礼…
天野:
たしかに以前とはだいぶテレビでの役割も変わってきてますよね…
新しい役割といえば、品川さん、最近オンラインサロンをはじめたのはなぜですか?
シナガワえんためクリエイト
https://camp-fire.jp/projects/view/130081
「品川えんためクリエイト」。映画、動画に関する情報発信や、ディスカッションなどを行うとのこと
品川さん:
共通言語がある人を集めたいからですね。そういう仲間と、動画の製作をしたいなと思って。
今、普通だったら西野(キングコング)のサロンに入るじゃないですか。そこで「品川のサロンに入る」って人はある意味相当センスがいい人だと思ったんですよ。
天野:
オンラインサロンについて西野さんと話したりもするんでしょうか。
品川さん:
西野とはたまに飲むんですけど、あいつはキラキラした目で言うんですよ。
「品川さんがオンラインサロンやったら、きっとみんな入りますよ。品川さんのモノづくりが注目されてます」って。
スター性があるあいつにそう言われると、俺も「そうかもなあ」とか思ってスタートしたわけですよ。

品川さん:
オープンして初日「何人来るかな?」ってワクワクしてたら、何人入ってたと思います?
天野:
え
品川さん:
2人ですよ。2人!!
品川さん:
俺、サロンの定員を「1万人」に設定したんですよ。
「あえて少数精鋭にしたほうが、人は入りたくなる」って聞いたんで、そういう定説と逆のことをしてみようと思って。
品川さん:
そしたら2人ですよ。1万人中2人!!
募集画面で「定員まであと9998名!」とか書いてあるんですよ。

品川さん:
西野のサロンって、2万2000人ぐらい会員がいるんですよ。
西野2万2000人に対して…
品川さん:
俺、2人。
ヤバくないですか?

オンラインサロンの洗礼を浴びている品川さん。「西野がキラキラした街をつくってるとしたら、俺は近くの山でなんか汚い集落をつくってるぐらいでいい…」と言ってました(その後、会員は60人にまで増えています!)
「好きなことやってるだけなのに、みんなにウケる」を見つけるべし
天野:
サロンを通じて、どういう動画をつくろうとしてるんですか?
品川さん:
今いちばんやりたい企画が、俺がブラジリアン柔術の師範にポルトガル語で技を習うという動画なんです。
ずっと黙って聞いてて、最後に俺が技かけられてタップするっていうやつなんですけど…
天野:
…?

品川さん:
意味がわからないですよね?
これを面白いと思ってくれる人を集めたいんですよ。
天野:
“わかる人だけわかればいい笑い”をつくりたいってことでしょうか…?
品川さん:
そうなんだけど、一方で、そんなもの誰もが「何やってんの!?」ってツッコみたくなるじゃないですか。
だからそれはマスにもウケるってことなんですよね。つまり、「自分のフィールドで好きなことやってるだけなのに、みんなにウケる」ってこと。
これを見つけるのが一番成功すると思うんです。仕事でもなんでもそうじゃないですか?
天野:
そうかもしれません。
品川さん:
でも、ここにウソがあるとダメなんですよね。ウケようと思って、別にそんなに好きでもない動画撮るのが最悪。
俺が本当に柔術を好きで、マジで技かけられるから面白くなるんですよ。
天野:
本当に好きなことをやってないとダメなんだと。
品川さん:
そうなんですよ。売れる条件みたいなものがあるなら、ウソなく好きなことを見つけて、それをやってる人ですよね。
渡辺直美とか、くっきーさんとかロバート秋山とか、モロ「自分の好きなフィールド」だけで戦ってるじゃないですか。

品川さん:
最近大ヒットするものって、「どうすれば儲かるんだろう」っていう考えから生まれてないと思うんです。
4月から漫才ツアーをやるんですけど、漫才やったってお金にならないんですよ。何カ月もネタ書いてるから、日当にしたら300円とか。
それでも自分の原点に回帰してウソなく好きなことをやるって、仕事をするうえですごい大事だと思いますよ。
天野:
その通りですね。ちゃんと「若手が成長するためのヒント」を教えてくださって安心しました。
ちなみに、品川さんが今“ウソなく好きなこと”は何かきかれたら、なんて答えます?
品川さん:
俺の好きなことは…
創作活動とおしゃべりです!!!


品川さんの考える「成長のための3カ条」
・ノーギャラでもいい。現場に顔を出すべし
・「まわりにこう見られたい」を早くなくすべし
・「好きなことやってるだけなのに、みんなにウケる」を見つけるべし
〈取材・文=天野俊吉(@amanop)/撮影=二條七海(@ryuseicamera)〉
そんな品川さんの“原点回帰で好きなこと”漫才のツアーが始まります!
全国10都市漫才ツアー!「好感度の低さでお客さんが入るか心配」と小規模の会場をまわる予定だったものの、売れ行き好調につき異例の追加公演が決定!
詳細はチケットよしもとにて。
チケットよしもと
http://yoshimoto.funity.jp/
名古屋公演
日時:2019年4月14日(日)13:30開場 14:00開演
(追加) / 17:30開場 18:00開演
会場:愛知・伏見JAMMIN’
札幌公演
日時:2019年4月20日(土)12:30開場 13:00開演
(追加) / 16:30開場 17:00開演
会場:北海道・BFHホール
福岡公演
日時:2019年4月26日(金)11:30開場 12:00開演
(追加) / 18:45開場 19:00開演
会場:福岡・よしもと天神ビブレホール
熊本公演
日時:2019年4月27日(土)16:30開場 17:00開演
会場:熊本・熊本DRUM Be-9 V1
岡山公演
日時:2019年5月3日(金・祝)16:30開場 17:00開演
会場:岡山・岡山シンフォニーホール イベントホール
広島公演
日時:2019年5月4日(土・祝)16:30開場 17:00開演
会場:広島・広島市南区民文化センター スタジオ
福島公演
日時:2019年5月11日(土)16:30開場 17:00開演
会場:福島・いわき芸術文化交流館アリオス 小劇場
仙台公演
日時:2019年5月12日(日)16:30開場 17:00開演
会場:仙台市戦災復興記念館 記念ホール
大阪公演
日時:2019年6月15日(土)17:30開場 18:00開演
会場:大阪・ZAZA HOUSE
東京公演
日時:2019年6月16日(日)13:30開場 14:00開演 / 17:30開場 18:00開演
会場:東京・シアター代官山
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