年をとらないアメリカの少女、20歳で亡くなる

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メリーランド州ボルティモアに住むブルック・グリーンバーグさんは、赤ちゃんのときに成長が止まって以来、亡くなるまで精神的にも肉体的にも幼児のままでした。彼女の症状はX症候群と名づけられ、アルツハイマー病パーキンソン病の治療の鍵を握るとも言われていました。

ブルックさんは4人姉妹の3番目として1993年1月8日に1.8kgの未熟児で生まれました。医師たちは生まれる前からすでに発達の異常に気づき、彼女が普通ではないことが次第に明らかになります。

生まれたときは股関節に問題がありすぐに手術が行われ、さらにその後も胃に穴が7つも見つかり手術、食べ物が気管に入ってしまうため胃にチューブを通しました。また、脳卒中やひきつけ、呼吸困難など、多くの問題が続きました。

4歳の時にはレモン大の脳腫瘍(しゅよう)が見つかり14日間意識不明となって、家族が葬式の手配をしたりひつぎを買ったりしていたところ、その腫瘍(しゅよう)が消えて意識が戻りました。

このころにはブルックさんの成長はとまり、身長も伸びず体重も増えず、成長ホルモンの投与も無駄に終わりました。顔も乳歯もそのままで体格は一歳児と同じでしたが、生物学的には骨は10歳程度まで成長し、髪やつめは普通に伸びていました。

ある研究者は、彼女の臓器の発達を「つながっていない」と言い表しました。それぞれの部分が違う割合で発達し、全く別個のもののようだったからです。

この20年間、彼女の妹を含め、家族はブルックさんのオムツをかえ、食事をあたえ、寝付かせ、交代で世話をしてきました。彼女はベビーベッドのなかで起き上がったり、床をはいはいしたり、特別な歩行器を使って動き回ることもできました。

言葉を話すことはできませんでしたが、知っている人には笑いかけ、くすぐれば笑い、紙と絵の具を渡せば絵を描くこともできました。

彼女の両親は、妹が生まれたときブルックさんが嫉妬(しっと)して泣いていたことを覚えています。10代になるころには反抗期もみられたといいます。一家は専門家という専門家をまわり答えを求めましたが、残念ながら最後まで答えは見つかりませんでした。

死因は今のところ明らかにされていないそうです。ご冥福をお祈りします。

参考:Obituary: Brooke Greenberg, girl with mystery syndrome that made her forever young
http://www.independent.ie/world-news/americas/obituary-brooke-greenberg-girl-with-mystery-syndrome-that-made-her-forever-young-29738992.html