1991年5月14日午前10時35分、滋賀県の信楽(しがらき)高原鐵道で、信楽発の上り列車とJR西日本の下り直通快速列車が正面衝突した。乗客と乗務員あわせて42名が死亡し、614名が負傷する大惨事だった。今からちょうど35年前のことである。 事故の引き金となった出来事だけを取り出せば、話はひどく単純である。信楽駅で、赤信号のまま列車が発車してしまった――それが正面衝突の直接の原因だった。 しかし、赤信号で