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「今後、ちいかわの入店を禁止します」。茨城県水戸市のラーメン店によるX投稿が拡散され、話題を集めている。

投稿によると、他の客が待っているにもかかわらず、食後すぐに退店せず、人気キャラクター「ちいかわ」(ぬいぐるみなどグッズと思われる)をテーブルに広げて遊び始めた客がいたという。

5月13日の投稿後、SNSでは「ちいかわを出禁にするの草」「ユーモアに包んだ書き方がやさしい」「ハチワレは大丈夫ですか?」などと反響が広がり、5月14日午後6時時点で約1.5万リポストされている。

●“ちいかわ禁止”は本当に可能なのか

実際に「ちいかわ」のぬいぐるみなどを持っているだけで入店を断られるのかは不明だ。ただ、SNSではたびたび、飲食店による“出禁宣言”や“◯◯禁止”の投稿が話題になる。

民法上は、原則として「誰と契約するか」を自由に決められるとされている(契約自由の原則)。

飲食店も営業の場であり、迷惑行為や他の客への影響がある場合には、利用を断ったり、退店を求めたりすることが可能だ。

また、退店要請に応じない場合には不退去罪(刑法130条後段)が成立する可能性があるほか、業務を妨害する態様であれば、威力業務妨害罪(刑法234条)が問題となるケースもある。

●「何を理由に断ってもいい」わけではない

もっとも、店側がどんな理由でも自由に客を排除できるわけではない。

たとえば、人種、国籍、性別、障害などを理由とした入店拒否は、各種法令や民法上の不法行為として違法と判断される可能性がある。

過去には、外国人であることや精神障害があることを理由に入店を拒否されたケースで、慰謝料の支払いが命じられた裁判例もある。

今回の投稿については、文面を見る限り、「ちいかわファンそのもの」を排除するというより、「混雑時に長時間テーブルを占有した行為」への不満をジョークを交えて表現したものと受け止めるのが自然だろう。

●“店の空気”も共有されている

一方で、客側も「お金を払ったのだから自由に過ごしていい」というわけではない。

混雑時の長時間滞在や過度な撮影、大量のグッズ展開などは、店によっては迷惑行為と受け取られる可能性がある。

飲食店は、法律だけでなく「限られた空間を他の客とどう共有するか」という暗黙のバランスのうえにも成り立っている。

SNSでは“出禁宣言”がネタのように消費されがちだが、その背景に目を向けたほうが良いかもしれない。