東京・名古屋・大阪を“1時間圏内”で結ぶ「リニア中央新幹線」。

名古屋のど真ん中にある地下で進むトンネル工事の“最深部”にメディア初潜入!

そして気になるのは「いつ開業するのか」。JR東海専務に直撃し、リニア計画の“現在地”に迫りました。

名古屋城の南側にあるリニア中央新幹線の「名城非常口」。この「穴」の内部は今、どうなっているのでしょうか。

メ~テレが約2年半前に取材した時は、シールドマシンが組み立てられ、発進に向けた準備を行っていました。

今回、本格的な工事開始以降、メディアとして初めて内部の撮影が許可されました。

「シールドマシンは、現在いる位置から550~560m先にいる。後続台車だけでも150mほどの長さがあり、さらにその先に実際掘っているシールドマシンがいる。今シールドマシンがいるところは、明和高校付近の地下になっている」(JR東海 中央新幹線建設部 須田貴之さん)

都市部のトンネルは、シールドマシンが掘った部分に「セグメント」という鉄筋コンクリート製の壁を組み立てて進んでいきます。

トンネルの内径は12.6m。

「コンクリート部材でさらに立ち上げた、我々が立っているぐらいの位置をリニアの車両が通る」(須田さん)

工期や時期によって異なりますが、トンネルは1日10mほどのペースで掘り進めています。

「地上に影響を出してはいけないので、地上で測量・騒音振動の計測をしながら工事を進めている」(須田さん)

「2027年開業」を断念

JR東海が当初リニアの開業を目指していたのは、2027年。

来年には、品川と名古屋の間が40分で結ばれるはずでしたが…。

2024年に、その目標を断念。

静岡工区の工事がいまだに始められていないからです。

静岡県の川勝平太・前知事は、トンネル工事により静岡県内を流れる大井川の水量が減る恐れがあると主張。長く着工に反対していました。

しかし、JR東海が2027年の開業断念を表明したすぐ後、職業をめぐる発言が批判を集め、辞職。

静岡県とJR東海の対話は10年以上続いてきましたが、知事交代を機に協議は前進。

そして今年3月、大きな転換点を迎えました。

早ければ今年中に着工へ進む可能性があります。

一方、岐阜県瑞浪市大湫町では、トンネル工事に伴う地下水位の低下が確認され、工事を中断しています。

課題が残る中、リニア計画はどこまで進んでいるのか。

JR東海のリニア部門を統括する澤田尚夫専務に現状を聞きました。

開業はいつ?JR東海専務を直撃

「(岐阜県瑞浪市の工事について)再開時期がいつと、まだ言える状況ではない。地表面の低下や井戸が枯れたことに対する補償などに対応していく一方で、今後の進め方についてはしっかり地元・自治体の皆さんとコミュニケーションを取りながら考えていきたい」(JR東海 澤田尚夫専務)

JR東海はこれまで、リニアの新たな開業時期を示していません。

Q.将来的に品川~名古屋がいつ開業するのか。静岡工区が着工してから10年とみていいんですか

「静岡工区は当初、2017年に工事契約をして着手して、10年で仕上げるいうことで開業時期を2027年としていた。山梨と長野のこれまでのトンネル工事の進み具合を見ると、思っていた以上に時間がかかっている。当初10年で仕上げると言っていたところがなかなか難しく、もう少し時間がかかる可能性もあると思っている」(澤田専務)

難しい工事が多く、当初の想定よりも時間が長くかかりそうだといいます。

「まだ具体的に何年と申し上げていないが、10年よりもっと延びる可能性は十分あると考えている」(澤田専務)

リニア開業は、さらに先送りされる可能性が浮かび上がってきました。

リニア車両の研究最前線

海沿いを走る東海道新幹線。

リニアは、南海トラフ地震などの大規模災害が起きた時のバックアップ機能を担います。

その開発が始まったのは、60年以上前の国鉄時代にさかのぼります。

開発拠点としてよく知られているのは「山梨リニア実験線」ですが、実は愛知県小牧市で最新の研究が行われています。

JR東海の小牧研究施設。走行試験で使っていたリニアの車両を活用し、地震発生時に安全に停止できるかなど、山梨ではできない実験をしています。

ほかにも…

「営業線開業までに乗り心地をより良くする研究を行っている」(JR東海 リニア開発本部 水野雅隆さん)

2020年の試験開始以来、決して公開されることのなかった内部。

時速500キロで走行している際の揺れを再現し、「制振制御」をすることで乗り心地は…。

「制振装置を作動させると、一気に落ち着けますね」(濱田隼アナウンサー)

映像では揺れの違いが伝わらないので、私たちが白羽の矢を立てたのは…。

「ぴよりんに揺れを体験してもらいます」(濱田アナウンサー)

以前、山梨実験線でもチャレンジで揺れを検証したぴよりん。

今回は…。

「時速500キロ、ぴよりんが揺れ始めました。うなずくようにずっと揺れています。制振装置が作動されると、縦に揺れることが少なくなりました」(濱田アナウンサー)

最も揺れが顕著に表れる周波数に対しアプローチし、振動を抑えるこの技術。

愛知で開発した技術は、最終的に山梨リニア実験線の実走行で検証し、営業開始までに乗り心地を向上させていくといいます。

「1時間で東京・名古屋・大阪が結ばれるので、人と人の出会いやすさ、出会う機会も格段に多くなる。今までになかったビジネスチャンスが生まれるかもしれない。どこで仕事をするとかどこに住むとか、ライフスタイルも多様な選択肢が出てくる」(JR東海 澤田専務)

総工費11兆円の大型プロジェクト。

開業で、私たちの未来はどう変わるのでしょうか。