JRT四国放送

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(森本アナウンサー)
「特集は『部活動の地域移行』です」

(豊成アナウンサー)
「教員の長時間労働の是正と、少子化の中でも生徒の活動機会確保を目指し」
「国は2023年度から、中学の部活動を地域スポーツクラブなど外部への移行を進めています」

(森本アナウンサー)
「その『部活動の地域移行』、2026年度からは実行期間に移りました。ただ、地域間格差が大きく課題は山積みです」

(豊成アナウンサー)
「県内では2025年度、平日、休日いずれかで1つでも、地域移行で活動を始めた部活があるのは、わずか8市町村に留まっています」
「選手の移動や活動費用、指導者の確保などさまざまな課題があり、順調とはいえない現状です。

(森本アナウンサー)
「そうした中、海陽町では、少子化・指導者不足など、地方の課題を克服する可能性を秘める取り組みが始まっています。

ある中学の部活動。

「リングに向かってカッティング、おお良いね」

声の主は、こちらの女性。

生徒たちが集まり、モニターを通して指導を受けています。

これはいったい?

徳島で最も南部に位置する海陽町。

なかでも、宍喰中学校は県内最南端の中学校です。

放課後、部活動のため生徒たちが集まり始めました。

(宍喰中学校・バレー部)
「バレー部です」
「バス乗って海陽中行きます」

全校生徒45人の宍喰中は、単独での部活動が難しくなっています。

このバスも、町が進める部活動改革のひとつです。

「サッカーいけるん、バスケいける、野球いけますか?」

5つある部活動は、それぞれ練習場所が異なります。

10分かけ到着したのは、海陽中学校。

バレー部とバスケ部はここで、海陽中や牟岐中の生徒たちと合同で練習しています。

過疎と少子化が進む海陽町、部活動を維持するのにも課題は山積みです。

(海陽町教育委員会・森粼忠憲 教育次長)
「都市部と離れて距離があり、人口が減っている」
「指導面でも当然、生徒が減っているのに合わせ教員不足もある」

教員不足に伴い、競技によっては専門教員がおらず、指導を受けられない場合もあります。

そんな中で、2026年度から始まったのが。

「こんにちは」

部活動の遠隔指導です。

町とスポーツ教育を得意とする大阪体育大学とが連携し、遠隔指導プロジェクトを始めました。

指導にあたる大学生は他校でもコーチをしていて、指導実績が豊富な学生です。

方法は、オンライン会議で海陽町と大阪を繋ぎ、カメラで練習を見てアドバイスを送ります。

サーブの練習方法の指導では。

(大阪体育大学の学生)
「今、コーンを使って練習をしているが、例えばひもを両方のアンテナの同じ高さにつけて、アンテナとネットの間を通すようなサーブを打つ」
「コーンも一定の場所じゃなくて、毎日場所を変えてみるとか」
「もっと柔軟に『これできるかな』と、みんなで話し合ってやっていくともっと質が上がる」

(中学生)
「やってみようかな」

(記者)
「普段意識していた?」

(中学生)
「試合の時は狙っているが練習は適当にしていた」

(中学生)
「(普段は)自分たちでメニュー考えたり、先生にやってもらいたい時は先生にお願いしている」
「わからないこととか、いろいろ教えてもらえて良い機会になった」

(バレー部の顧問)
「見るのは好きだが、競技バレーはまだ勉強中。部活動専門の人がいるわけでは必ずしもない」
「新しい部活のかたちとしては画期的」

大学生と生徒らは面識があり、2025年12月には、一緒に練習もおこないました。

さらに、タブレットのアプリを使った技術指導も取り入れ、指導者の不在を補っています。

ただ、この日が初めてだったモニター越しの指導では、新たに課題も見つかりました。

バスケットボールを指導した大学生は。

(バスケを指導した大学生)
「奥まで行くと(見えない)欲を言えば4つの視点からカメラ持つ、もしくはセンターラインの端からコートが見えるようなカメラがあれば見える所が見える」
「言った時と伝わる時間の差がどれぐらいあるのかあまりわからない」
「どこまで声が届いているかも実際わかっていない状態、そこが難しい」

(海陽町教育委員会・森粼忠憲 教育次長)
「もっとカメラの数を増やすとか、生徒と学生の連携を深めるためにプロフィールシートを交わすとか、指導がしやすい状況を作る課題はある」
「(大学生の)指導は的確、生徒たちがうなずいている姿を見て、感銘を受けているなと、手ごたえを感じた」
「今はバスケとバレーだが、もっと広げていくなら文化部とかそういうことも、何かできたら良いという可能性を感じた」

何よりも大切なのは、地理的な条件によって子どもたちから学びの機会を奪わないこと。

この「海陽モデル」と呼ばれる部活動の地域移行は、少子化・指導者不足など、地方の課題を克服していく可能性を秘めています。

(森本アナウンサー)
「町の教育委員会では2026年度、大阪体育大学との指導連携に100万円の予算を充てていて、これからオンライン指導の回数を『週1回程度に増やしていきたい』ということです」