食洗機と電子レンジは外注生産へ…サムスンの選択と集中
サムスン電子が食器洗浄器や電子レンジなど一部家電製品を外注生産することを骨子とした事業再編に着手した。半導体好況で1−3月期に過去最大の業績を記録したが、消費者家電事業は不振が続き、収益性中心に体質を変えようとする措置と分析される。
韓国家電業界によると、サムスン電子の家電担当(DA)事業部は最近社員を対象に経営説明会を開き、構造改編方向と中長期事業戦略を共有した。一部中小型製品の生産ラインを閉鎖し、共同開発生産(JDM)や発注者ブランドによる生産(OEM)、製造者開発生産(ODM)などに転換する内容が核心だ。1989年に設立され電子レンジなど中低価格家電を主に作ってきたマレーシア工場は閉鎖を検討中だという。
今回の家電事業再編は家電事業の根本的体質改善を狙った対策とみられる。家電部門は部品価格と物流費上昇、中国企業の低価格攻勢が重なり収益性が急速に悪化している。証券業界ではサムスン家電事業の収益性に対し懸念を示す。キウム証券は1−3月期にサムスン電子が家電事業とテレビ事業で3000億ウォンの営業赤字を記録すると予想した。昨年10−12月期は6000億ウォンの赤字だった。
家電市場は世界的な消費鈍化と為替相場変動性拡大、地政学リスクまで重なり事業環境の不確実性も大きくなった状況だ。世界の家電市場自体が低成長局面に入り込んだ点もリスク要因だ。サムスン電子は収益性が低い製品群は果敢に減らし、高付加価値製品を中心に事業構造を再編する方針だ。サムスン電子関係者は「世界的需要と事業環境変化に対応して生産効率性を高め競争力を強化するための措置。具体的な計画は市場状況により柔軟に検討している」と話した。
これに対し「ビスポーク」洗濯機、冷蔵庫、エアコンなどプレミアム製品群に能力を集中する。同時に冷暖房空調と企業間取引(B2B)、家電サブスクサービスなど新事業を拡大するという戦略だ。冷暖房空調事業は世界的なデータセンターと商業用ビル需要の増加を狙い、欧州、北米、アジアなどに取引先を広げ、データセンター冷却に向けた液体冷却ソリューションなど次世代技術確保にもスピードを出す方針だ。
サムスン電子は上半期に冷蔵庫、洗濯機、エアコン、ロボット掃除機、衣類管理機など人工知能(AI)基盤の新製品を相次いで発売してプレミアム戦略を強化している。スマートシングスを中心としたAIホームソリューションを前面に出してB2B市場攻略と専従組織拡大も推進する。サブスク型サービスもやはり韓国だけでなく海外市場への拡大を検討中だ。サムスン電子のキム・チョルギDA事業部長は「今年が家電事業構造革新の最後のゴールデンタイム。選択と集中を通じて収益性基盤事業に転換しなければならない」と話した。
こうした流れは海外家電・テレビ事業再編ともかみ合わさっている。サムスン電子は中国市場で一部製品出荷と流通網を縮小し欧州の生産拠点も整理している。実際にTCLとハイセンスなど中国企業は価格競争力とミニLED技術を前面に出しテレビ市場でシェアを急速に増やしている。カウンターポイントリサーチによると世界のテレビ市場シェアはサムスン電子が15%で1位を維持したが、TCLが13%、ハイセンスが12%と追撃しており競争レベルが高まっている。
欧州でも構造調整が続いている。サムスン電子は先月スロバキアのガランタにあるテレビ工場閉鎖を決めるなど生産構造再編に出た。世界のテレビ市場成長鈍化とコスト上昇が重なり生産収益性が落ちた影響とみられる。
LS証券のリサーチセンター長、シン・ジュンホ氏は「中国市場で価格競争と技術競争が同時に強まり外国企業の立ち位置が急激に狭まった。サムスン電子としては収益性中心に事業を再編することが避けられない選択」と話した。
