町田啓太

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 ラストで描かれた、黒髪時代の町田啓太の “モラ父” っぷりはホラー味さえあったが……。

 4月18日(土)に第2話が放送された、町田啓太主演のヒューマンドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』(日本テレビ系)。舞台となるのは、学校に行けない、行きたくないという不登校の子どもたちの居場所となるフリースクール。

 町田演じる主人公は、フリースクールの教室長・タツキ。金髪の気さくなお兄さんという感じでいつも明るくニコニコしており、「楽しいことだけやろう!」と、子どもたちに甘すぎるスタンスのキャラクターだ。

■いつも穏やかでニコニコしている主人公の狂気的な過去

 毎回、悩みや問題を抱えた子どもがフィーチャーされていくが、ドラマの “縦軸” として、タツキ自身のヘビーな物語も描かれている。

 タツキには離婚歴があり、現在は元妻と中学生になる息子とは別々に暮らしているようなのだが、第1話では息子が飛び降りをして重傷を負い、入院中であることが明らかになっていた。

 そして第2話ラスト、短い尺ながら離婚前のタツキの過去シーンが挿入された。黒髪でビジネスパーソン風のタツキが息子の部屋の前に立ち、「なんの解決にもならないだろ」「おい、聞いてるか?」「外に出ろ!」と高圧的な口調でドアを強引に開けようとする。

「イヤだ!」と息子が抵抗し、「もうやめて!」と妻がタツキを止めに入り――というシーンである。

 いつもニコニコしていて穏やかな現在の “金髪タツキ” とは真逆。モラハラ全開の “黒髪タツキ” はどこか狂気的でホラー味もあり、慄然とするレベルだった。

 町田のこのギャップのある演技で思い出されたのは、3年前の2023年4月期ドラマ『unknown』(テレビ朝日系)。高畑充希演じる主人公の相棒 兼 親友役を町田が演じており、このときも表向きは明るくやさしい好青年ながら、闇深い裏の顔があるというキャラクターだった。

『unknown』しかり、『タツキ先生は甘すぎる!』しかり、町田はこういう裏表のギャップが激しいキャラを演じると、かなりハマる。

■小5男子の「無理に笑わなくていいから」が救いに

 さて、息子を精神的に追い詰めてしまっていたタツキは、いまも密かにその過去を悔いて苦しんでいる様子だが、そんな彼の心を救うのは、意外にもフリースクールに通う子どもたちなのかもしれない。

 このドラマは、タツキの包容力で悩みを抱えた子どもたちを救済していくのがベース。第2話でも、運動会を間近に控え、ダンスが苦手なことを友達に知られたくないという小5男子を立ち直らせるまでが描かれた。

 だが、終盤、運動会本番で失敗しながらも最後まで踊りきった小5男子から、タツキはこんな言葉を掛けられた。

「でも、タツキだって作ってるよね。表向きはいつもニコニコしてるけど、裏の顔はもっと暗いんでしょ?」

 核心を突かれ、一瞬素になりながらも、「ないよ、裏の顔なんて」と否定するタツキ。だが、小5男子は、笑顔で取りつくろうタツキの心をどこか見透かしたように、「まぁ、つらいときは無理に笑わなくていいからね!」と声をかけるのだ。

 子どもというのは、大人が考えている以上に察する能力に長けており、意外と鋭い。そして純粋ゆえ、まっすぐにぶつかってくる。

 このときのタツキは、まだ自分の過去や本心を隠そうとしていたが、子どもたちがド直球に投げかける言葉や態度が、徐々に内なる傷を癒し、立ち直らせてくれるのかもしれない。

『タツキ先生は甘すぎる!』は、タツキが子どもたちに寄り添って再生させていく一方、純粋な子どもたちの言動がタツキに真理を気づかせていき、彼の心を再生させていく物語なのでないか。

 要するに、大人がただ子どもを助けるというありがちなストーリーではなく、大人と子どもの相互扶助が上手に描かれたハートフルなドラマなのではないか。

 今夜放送の第3話でも、“黒髪タツキ” の過去編が描かれるかもしれない。主人公と息子の関係性がどう着地するのかも見どころだ。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『コクハク』(日刊現代)、『日刊SPA!』『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿