経済

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 サントリーホールディングス(HD)は15日、第一三共の完全子会社で解熱鎮痛薬「ロキソニン」などの一般用医薬品を手がける第一三共ヘルスケアを2465億円で買収すると発表した。

 人口減や若年層の酒離れなどで国内酒類市場が伸び悩む中、成長の見込める医薬品事業に進出し、健康関連事業の強化につなげる狙いがある。(水野友晴、福原悠介)

 サントリーHDは6月から第一三共ヘルスケアの株式を段階的に取得し、2029年6月までに完全子会社とする予定だ。鳥井信宏社長は「強いブランドや高い専門性を持つ第一三共ヘルスケアと連携、協業し新たな価値を創り出したい」とコメントした。

 サントリーHDは1992年に健康関連事業に参入した。現在は完全子会社のサントリーウエルネスを通じ、各種サプリメントや健康食品、スキンケア商品などを手がけている。機能性表示食品「ロコモア」や、ごまの成分から作った「セサミン」などが代表的商品。同社の2025年12月期の売上高は1400億円規模と、グループ全体の4%にあたる。

 第一三共ヘルスケアはロキソニンやかぜ薬「ルル」、胃腸薬「ガスター10」といった市販薬で知名度の高いブランドを多く抱え、25年3月期の売上高は760億円だった。

 一方、親会社の第一三共は注力分野と位置づけるがん治療薬などの研究開発に投資を集中させている。臨床試験にかかるコスト上昇などで研究開発費が増える中、今回の売却で得た資金を競争力のある新薬開発に充てたい考えだ。

 健康志向の高まりなどに伴う酒類市場の縮小は、ビール大手共通の課題だ。代わりに成長が見込める健康関連事業を強化する動きが相次ぐ。キリンHDは国内外で相次ぎ健康食品メーカーを買収する一方、米ウイスキーブランド「フォアローゼズ」の売却を決めるなど、事業構造の見直しを進めている。

 サントリーHDも今月、ロコモアとセサミンブランドの清涼飲料を新たに発売し、サプリと飲料事業の連携などで健康関連商品の売り上げ拡大を狙う。今回の買収で医薬品を新たに商品群に加え、健康関連事業を酒類や清涼飲料に次ぐ収益の柱に育てることを目指す。