JRT四国放送

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コロナ禍以降、なかなか人出が戻らない夜の街の話題です。

長引く物価高、円安、進む高齢化の波。

さまざまな苦境が続く夜の街の現状と、そこで働く人たちの想いを取材しました。

「マスター1杯お願い」そんなひと時が日々の憂いを忘れ、労をねぎらいます。

しかし今、夜の街に異変が…。

(記者)
「金曜日の午後8時です。ご覧のように夜の街は人通りは少ないように見えます」
「そして、店のネオンもついていないところが目立ちます」

(店の人)
「人が減ってきている」

(飲みに来た人)
「全然(普段)来ていない」

(飲みに来た人)
「全然来ていない、きょうは珍しい」

(飲みに来た人)
「週1来ている」
「コロナからさっぱり(人出がない)毎年12月、店のママが『去年の方がよかった』と、6年ぐらい同じこと言ってます」

2月20日金曜日、午後8時の徳島市秋田町周辺。

飲食業の世界で「ニッパチ」と呼ばれる2月と8月は閑散期ではあるのですが、それにしても道行く人の姿はコロナ禍の時期と変わらないほどまばらでした。

一体、夜の街に何が起きているのでしょうか。

店の人は。

(記者)
「ネオンがついていない店が最近増えた?」

(うまいもん処 木の葉・手塚進 店主)
「新しい店も出来ているが、やっぱり閉めている店も多い気がする」
「売上悪い月は、平日休みの店が増えた」

(記者)
「なぜ?」

(うまいもん処 木の葉・手塚進 店主)
「やっぱり物価高とか、ほかもいろいろ。物価高が一番大きい」

20年以上店を構えるこちらは、県産の新鮮な海の幸や肉料理が自慢です。

食材の仕入れ価格はコロナ禍前と比べ、平均3割以上も上がっていて、高いものでは2倍以上。

それでも、客足に影響しないよう、値上げをし過ぎないよう努めているそうです。

(うまいもん処 木の葉・手塚進 店主)
「お客さんに負担かけないといけない分、自分の方も負担・リスクはやむを得ない」

われわれ消費者と同じように、物価高に苦しむ夜の街。

ただ、悩みはそれだけに留まりません。

居酒屋やラウンジなど、およそ150店の飲食店が加盟する組合の理事長は。

(県社交飲食生活衛生同業組合・柳本真吾 理事長)
「組合も日々、新規加入もあり、一概に増減だけでわからない」
「しかし廃業による退会の数は、コロナ禍以降3倍ぐらい」
「業界の古くからやっている人たちが、引退するような年齢になっているのが一番」

(記者)
「高齢化も夜の街、進んでいるんですね」

(県社交飲食生活衛生同業組合・柳本真吾 理事長)
「かなり進んでいる。全国的にもそう」

団塊の世代や1990年頃のバブル期に開業した世代が、ちょうど30年、40年を経て店を閉めるケースが増えているそうです。

(県社交飲食生活衛生同業組合・柳本真吾 理事長)
「組合自体が41年目。その創立メンバーがたくさん最近までいたが、廃業に伴い脱会している」
「組合・非組合にかかわらずそういうことが起きているので、街の減少につながっている」

洋酒の在庫は700本以上。

こちらは栄町で40年、2代に渡り続く老舗バーです。

外国産のお酒は円安も影響し、仕入れが次第に難しくなってきているそうです。

(記者)
「コロナ禍以前3000円のお酒が…?」

(BAR TOYOKAWA・豊川新二さん)
「今は倍ぐらい」

(記者)
「倍ですか…」

(BAR TOYOKAWA・豊川新二さん)
「倍以上、商品によっては4月から値上がりする商品もある」
「円安ももちろんだが、電気代があがるとビン作る金額紙(ラベル)作る金額も高くなる、当然中身も高くなる」
「さらに、円安で輸入品はいろんな意味でずっと上がり続けている」

さらに、客足が遠のく理由に挙げたのは、コロナ禍以降のタクシーや代行業者の減少です。

(BAR TOYOKAWA・豊川新二さん)
「昔の台数の半数近くに減っているのでは」
「お客さんからよく聞くのは、予約ができないとか」

物価高や円安、高齢化など押し寄せる苦境。

ただ、夜の街の人々も、何もしていないわけではありません。

こちらのバーをはじめ約20店舗では3月8日、店を巡り試飲ができるイベントを初めて開催します。

(BAR TOYOKAWA・豊川新二さん)
「こういう仕事していて思うが、アルコールではあるが、お酒とうまく付き合えれば人生が豊かになるんではないかと思う」
「良い使い方をしてほしい」

また、組合でも優良店の認定制度を新たに設けようとしていて、街の存続へと次の手を打っています。

(県社交飲食生活衛生同業組合・柳本真吾 理事長)
「秋田町を1つのテーマパークと捉えて、街全体でお客さんを呼び込むための仕掛けを、行政にも協力をもらい進めていければ」

季節は春。

もうすぐ歓送迎会や花見のシーズンがやってきます。

華やかに見える夜の街は人知れず、忍び寄る影に抗い続けています。