【灯油ストーブvsエアコン】エアコンのほうが「ラクで節約できる」と聞きましたが、寒い地域は結局「灯油ストーブ」がコスパ良し!? 1日8時間の“コスト差”はどれくらいでしょうか?
灯油ファンヒーターとエアコンの違い
灯油ファンヒーターとエアコンを比較する上での決定的な違いは、熱効率の高さです。この効率の差こそが、「エアコンが安い」と言われる理由でもあります。
ほとんどのエアコンは、電気を使って熱を生み出すのではなく、外気の熱を取り込んで室内に移動させる「ヒートポンプ」という仕組みを利用します。この方式は、使用した電気エネルギーの3~7倍の熱エネルギーを生み出すことが可能です。
つまり、わずかな電気で大きな暖房効果を得られるため、単位熱量あたりのコストが下がる可能性があります。
1日8時間使用のコスト比較シミュレーション
まず、一般的な地域(寒冷地以外)での使用を想定したシミュレーションをしてみましょう。シミュレーションで使用する機器は、人気機種の下記を基準とします。
灯油ファンヒーター:ダイニチ「FW-5625L」
エアコン:ダイキン「S406ATRS-W」
灯油ファンヒーターの月間コスト
人気機種のダイニチ工業株式会社社製「FW-5625L」の1時間あたりの燃料消費量は、カタログ値で0.120~0.544リットルです。そのため今回のシミュレーションでは、中間値の0.332リットルを8時間使用するとします。
1日(8時間)使うと0.332リットル✕8時間=2.656リットルを消費します。1ヶ月(30日)として計算すると、2.656リットル✕30日=79.68リットルとなり、1ヶ月でおよそ80リットル消費する計算です。
灯油代は1リットルあたり122.4円(2025年12月1日現在)のため、灯油ファンヒーターの月間コストは80リットル✕122.4円=9792円です。なお、灯油ファンヒーターのコストは、電気代は無視できるほど小さいため、灯油代のみで計算します。
エアコンの月間コスト
人気機種のダイキン工業株式会社製「S406ATRS-W」の暖房時の消費電力は70~2000ワットです。
ここでは、平均値の1000ワット=1キロワットとして計算します。1ヶ月の消費電力は、1キロワット✕8時間✕30日=240キロワットアワーです。
全国家庭電気製品公正取引協議会による目安単価1キロワットアワーあたり31円を使用し計算すると、エアコンに使う電気代は1ヶ月で240キロワットアワー✕31円=7440円となります。
エアコンと灯油ファンヒーターの光熱費の差は、エアコンのほうが2352円安いという結果が得られました。エアコンに切り替えることで光熱費も下がり、さらに重労働であった灯油の買い出しを解消できるため、メリットが高いといえるでしょう。
寒冷地におけるコストの逆転現象と対策
エアコンの暖房は外気の熱を利用するため、外気温が下がると暖房効率が急激に低下します。外気温が氷点下になると、暖房能力を維持するために消費電力が1.5倍から2倍以上に跳ね上がることもあります。
仮に消費電力が最大の2.0キロワットまで増加したと仮定して電気代を再計算した場合、以下の通りです。
電気代=2.0キロワット×8時間×30日×31円/キロワットアワー=1万4880円
この場合、灯油ファンヒーターよりもエアコンの電気代のほうが5088円高くなります。寒い地域では、エアコンへの切り替えがそのまま節約につながるとは限らないため、注意が必要です。
寒い冬を乗り切る節約ポイント
灯油の買い出し労力を解消しつつ光熱費も抑えるためには、住んでいる地域の特性に合わせた対策が必要です。
東北や北海道など寒い地域に住んでいる場合は、寒冷地仕様の高効率エアコンを選ぶのがポイントです。寒冷地仕様のエアコンは外気温が低くても効率が落ちにくいように設計されているため、効率よく暖房を使えます。
エアコンの方が安いが、寒冷地は要注意
リビングで1日8時間暖房を使用している家庭が灯油ファンヒーターからエアコン暖房に切り替える場合、一般的な地域であれば、エアコンのほうが光熱費は下がります。さらに、重労働であった灯油の買い出しの手間も解消できるでしょう。
しかし寒冷地では、一般的なエアコンでは効率が低下し、灯油代よりも電気代が高くなるリスクがあります。そのため、寒い地域に住んでいる場合は寒冷地仕様の高効率エアコンを選択してください。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

