この記事をまとめると

■神奈川・秦野市の国道246号線沿いにドライブイン「みや古食堂」がある

■みや古食堂は先代急逝で一度閉店するも常連の手によって奇跡の復活を遂げた

■タレの味もご飯の量も昭和のままでトラックドライバーが集う

58年の歴史を誇るドライブインの看板メニューは板焼き

 その佇まいはまさに昔ながらのドライブイン。そして、店名もそのままストレートに「みや古食堂」だ。みや古食堂は、神奈川県秦野市の国道246号線の脇にあるのだが、トラックの休憩スペースの奥にあるため、正確にはロードサイドではない。しかし、ちょうど緩いカーブの少し先に位置するため、お店の看板はしっかりと確認できる。

 国道246号線は、時間帯問わずトラックの往来も多く、駐車スペースに大型トラックが何台も停車しているのはいつもの光景だ。

 さて、このみや古食堂だが、その歴史はじつに58年も前に遡ることができる。開店当時は高度経済成長期の真っただなか。日本のモータリゼーションや物流も大きく変わろうとしている時期だった。そんななかで、トラックが行きかう国道脇で、長きに渡ってドライバーたちの胃袋を満たしてきたというわけだ。しかし、今回紹介したいのはお店の歴史ではなく。看板メニューである「鉄板焼き」、これにつきる。

 グルメサイトやSNSでも同店の鉄板焼きの味付がどうとか、レシピがどうだとか書かれているのだが、そんなことはどうでもいい。これは「コメを食うためのおかず」なのだ。そして、それを知っている多くのトラックドライバーや噂を聞きつけた一般客が押し寄せてくるのだ。

 少し話は逸れるが、全国にも数あるドライブイン、とくにトラックドライバーに人気のあるお店は、駐車スペースが広くて、おかずの味付けが濃い。そしてご飯の量が多いという3点を併せもっていると筆者は考えている。もちろんみや古食堂はこの条件をすべて満たしている。

 話題を戻そう。みや古食堂の鉄板焼きがどれほど美味しいかは文字で説明するより、実際に食べてもらうほうがいいのだが、次々に入ってくるお客さんのほとんどが鉄板焼きをオーダーしているくらいなので、その人気の高さがわかるだろう。

常連によって奇跡の復活を遂げた「みや古食堂」

 しかし、この人気メニューも一時期はまったく食べられなくなる事態に陥ったことがある。その理由は先代の急逝だ。1967年から続いたお店も2021年には閉店を余儀なくされている。その後、同店の常連だった人物が経営を引き継いだことで復活を遂げているのだが、問題だったのは鉄板焼きのレシピが残っていなかったことだ。幸いなことに、タレ自体は残っていたために、試行錯誤の結果、昔と変わらない味を提供できるようになったというストーリーがあるのだ。

 平日はトラックドライバーがひっきりなしにやってくる同店だが、週末の昼時ともなれば一般客の駐車スペースが全部埋まるほどで、店内はカップルから家族連れ、ツーリング中のライダーや、黙々と鉄板焼きを食べるおひとりさまで溢れかえる。その光景は歴史あるドライブインというよりも、人気の観光名所といえるかもしれない。

 筆者がここでよく耳にするお客さんと店員さんの会話がある。それはご飯の量の説明だ。テーブルにも説明書きが貼ってあるが、とにかくデフォルトでもご飯の量が多く、普通盛りでも300g、おおよそお茶碗2〜3杯分くらいだろうか。

 鉄板焼き目当てにやってくる人には女性客も多く、うっかり「ご飯は普通で」と頼んでしまうと、その多さに食べきれないという自体が頻発するのだ。

 最後に店内をぐるっと見まわしてみると、有名なデコトラの写真が何枚も飾られ、会計カウンターの下にはトラック関係のステッカーが多く貼られている。さらに、みや古食堂オリジナルのステッカーやキーホルダーも販売されているなど、この食堂を愛する人がどれほど多いかわかるというものだ。

 位置的には東名高速道路の大井松田インターチェンジから車で10分ほどの距離ではあるが、わざわざ高速道路を降りて食べに行く価値は大いにアリの絶品ドライブインだ。

●ショップインフォメーション

「みや古食堂」
0463-87-7770
神奈川県秦野市菖蒲133
https://www.instagram.com/miyako.shokudou/