関税がかからない低額小包が年間40億個も輸入され、ルールを守っている企業の業績に悪影響の懸念があるとして、EU当局がSHEINやTemuのような、EU域外に本拠を置くオンライン小売業者による輸入の取り締まりを行う方針であることが明らかになりました。

EU set to crack down on Asian online retailers Temu and Shein

https://www.ft.com/content/88086165-d74a-42b7-a2d2-79b6a97820e9



EU could target ultra low-cost e-tailers like Shein and Temu with package handling fee or import tax | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/12/04/eu-considers-administrative-handling-fee-on-temu-and-shein-packages/

EUでは「150ユーロ(約2万3000円)までの小包は関税が免除される」と定められていて、SHEINやTemuといった企業はこの免税枠をフル活用しています。免税対象の輸入品の数は、2023年が23億点で、2024年はすでに40億点以上と、増加の一途をたどっています。オランダのロッテルダム港に到着する海上貨物とスキポール空港に到着する航空貨物の数は「1秒間に40個」という驚くべきペースだとのこと。

この免税枠は、すべての荷物の中身を確認することは到底不可能なため設けられているものですが、その代わりに、安全性に問題がある商品や、正規品に見せかけた偽造品が輸入されているケースが多々あります。

つまり、EU域内に拠点を置く企業は、EUが定めた厳格な安全基準を守っているから生産コストが上がり、海外プラットフォームは基準を無視しているため安い製品をEUに送り込める状態になっているというわけです。



これでは、EU域内の企業の業績に悪影響となるほか、安価な輸入品による小売店への影響も避けられないとして、EU当局が対策に乗り出す姿勢であると、ニュースサイトのFinantial Timesは伝えています。

Finantial Timesは、事情に詳しい5人の関係者の情報として、EU当局が免税枠の廃止や、電子商取引プラットフォームの収益についての新たな課税、品目ごとの管理手数料の導入などを検討していると述べました。

免税枠廃止については、関係者が2023年から提案しているとの先行報道があります。

中国のSHEIN・Temu・AliExpressに輸入関税を課すべくEUが免税枠の廃止を検討 - GIGAZINE



ヨーロッパの小売・卸売業界団体であるユーロ・コマースは、当局の動きには賛同しつつも、世界貿易機関(WTO)によって税関の手数料には基準が設定されているため、管理手数料を新規導入する措置の正当化は難しいという見方を示しているとのことです。