両親に健康的な食事を与えられず死亡した少女(画像は『The Mirror 2022年12月20日付「Mum admits killing daughter, 16, by allowing her to become severely overweight」(Image: WALES NEWS SERVICE)』のスクリーンショット)

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イギリス在住のある母親と父親が2020年、障がいを持つ娘をほぼ軟禁状態にした挙句、死に至らしめてしまった。娘の死は極度の肥満が原因だったが、娘の健康管理を怠ったとして両親が起訴されていた。『The Mirror』『Metro』などが伝えている。

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英ウェールズのニュータウンで2020年10月10日の午前8時12分、当時16歳だったケイリア・ティットフォードさん(Kaylea Titford)が自宅のベッドで死亡していることが確認された。ケイリアさんは両親と3人で暮らしていたが、母親のサラ・ロイド=ジョーンズ(Sarah Lloyd-Jones、39)と父親のアルン・ティットフォード(Alun Titford、44)は二分脊椎と水頭症の障がいがあるケイリアさんに対して、ケアする義務を怠ったとして起訴されていた。

ケイリアさんの死因は、極度の肥満と先天性の二分脊椎に起因する合併症により感染症を引き起こしたことによるものと特定された。当時、ベッドに横たわり息をしていないケイリアさんに気づいたサラは緊急通報したものの、駆けつけた救急隊員によってその場で死亡が確認された。

ケイリアさんは死亡当時、体重が146キロでBMI(肥満指数)の数値が70もあったことから、両親は健康面で配慮していなかったとみられている。そのため母親のサラと父親のアルンは、ケイリアさんを病的なまでに肥満にさせて死に至らしめたとして起訴された。

昨年12月20日付の『The Mirror』によると、サラは障がいを持つケイリアさんに対するケアする義務を怠り、娘を死に至らしめたとして罪を認めたようだ。そしてモールド刑事裁判所で今月17日から始まった裁判では、さらに凄惨な事実が明るみに出た。

裁判では、当時の現場で対応した救急隊員のガレス・ウィン・エヴァンスさん(Gareth Wyn Evans)によって、ケイリアさんが異臭漂う不潔な部屋のベッドに横たわって死亡していたことが明らかとなった。ガレスさんはケイリアさんの死亡を確認した後、社会福祉サービスに通報したという。法廷でガレスさんは「それは誰かが死んだような恐ろしい臭いだった」と語っている。

また検察官のキャロライン・リーズ・KC氏(Caroline Rees KC)によると、ケイリアさんは車椅子で生活していたものの、体重が増加する前は活発で元気な少女だったそうだ。しかしパンデミックが始まった2020年3月頃からケイリアさんは自宅の部屋にほぼ軟禁状態だったという。

両親から健康的な食事を与えられることもなく、運動する機会を奪われてしまったケイリアさんは、ますます体重が増加してしまった。また体が不自由でトイレに行けないケイリアさんに、母親のサラは床にペット用のトイレシーツを敷いてそこで用を足すよう強要していた。

自分ひとりでは風呂に入ることもできず、親からは不健康な食事を与えられ、不潔な部屋の中で数か月間過ごすことを余儀なくされたケイリアさんは、体調を崩しても病院に連れて行かれることはなかった。

今月18日の裁判で、父親のアルンがモールド刑事裁判所に出廷したものの「娘の死にショックを受けている」と主張し、ケイリアさんの死を引き起こした過失致死の罪を最後まで否定し続けていた。『The Mirror』によるとこの裁判は最大4週間にわたって行われる予定で、今後はさらにケイリアさんの死に関する新たな事実が明らかになるものとみられている。

画像は『The Mirror 2022年12月20日付「Mum admits killing daughter, 16, by allowing her to become severely overweight」(Image: WALES NEWS SERVICE)(Image: Andrew Price / View Finder Pictures)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)