結婚1年目でセックスレスとなったわかぴょんさん(49)とみかさん(42)。「性」のズレに対して真剣に悩み、とことん向き合った末に選んだのは「妻が夫公認の彼氏を作る」ことだった。

【マンガ】『夫公認彼氏ができました セックスレスにとことん向き合った夫婦の13年レポ』を読む

 そんな夫婦の初めから終わりまでをすべて描いたのが『夫公認彼氏ができました セックスレスにとことん向き合った夫婦の13年レポ』(KADOKAWA)。

 今回は同書の原作者であるわかぴょんさんとみかさんに、セックスレスになった経緯や夫公認彼氏を作った理由などについて、話を聞いた。

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付き合った時からセックスレス予備軍

――お2人は結婚後すぐにセックスレスで悩み始めたんですよね。

わかぴょん 今考えると、付き合い始めた時からセックスレス予備軍だったよね。最初から回数としては多い方ではなかった。みかが求めてきても何回かは断っていたから。

みか たしかに、「あれ? 私たち大丈夫かな」とは思いました。それまでにお付き合いしていた方たちとは明らかに違ったので。でも、当時はそんなに深くは考えていなくて。


わかぴょんさんとみかさん ©深野未季/文藝春秋

――結婚生活を始めてからみかさんの中でセックスレスの問題が大きいものになっていったと。

みか そうです。妊活を始めたあたりから、2人の間でセックスについて話すことがなくなって。その話題はタブーのような感じになっていました。

 子どもがほしいという気持ちはお互いにあったんですが、いつもその問題を後回しにされている感覚があって。話し合おうとしても「仕事で疲れてるから寝る」と言って取り合ってくれなかったりして、モヤモヤしていました。

わかぴょん みかが悪いわけではなくて、僕自身、昔から「性」に対して全く自信がなかったんです。相手の反応が気になって行為に集中できなくて。

 相手を満足させることがセックスの「ゴール」と捉えていて、自分が満足することについては2の次という思考でした。どうしても「正解」を求めてしまうがために、どんどん億劫になってきて。そこに仕事でのストレスや疲労が重なり、セックスレスに向き合うことから逃げるようになっていきました。

――その後、マンガでも描かれているようにセックスレスのカウンセリングに辿り着くんですね。

カウンセリングへ行った結果

わかぴょん 7年前の当時は、ネットでセックスレスについて調べまくっていました。こんなに妻のことを抱けないのは、僕自身に何か問題があるのかもしれないと思って。何か一つでも突破口が見つかればいいなとカウンセリングに行きましたが、僕には合わなくて解決するような方向には進みませんでした。

みか 「カウンセリングに行ってみる」ってわかぴょんが言ってきた時は、へえ〜そうなんだくらいで。これまでお付き合いした男性とはセックスレスになったことがなかったので、当時はそういう人がいるわけない、一時的なものだって思い込んでいました。ちゃんと2人で話せばセックスレスは解消されるはずだと。

――カウンセリングに行ったり、2人で話し合ったりするもなかなか解決せず、悩み抜いた結果、みかさんに彼氏を作る決断をするわけですよね。

わかぴょん そうです。タイトルにもある通り、みかは「夫公認彼氏」を作りました。ただマンガにも描かれているように、そこに至るまでは相当な覚悟があったよね。最初から「セックスレスだから妻に彼氏を作ればいいんだ」となったわけではなくて。

 解決策として、例えば離婚するとか、性風俗店に行くとか、お互いにいろいろ案を出して。その中に妻に彼氏を作るというのもあったんですけど、最初は何を言ってるんだって感じで。ありえないと思いました。

「結婚しました。でも妻には彼氏がいます」っていう家庭なんて想像できないじゃないですか。「俺そんなことになったら穏やかに死ねないよ」って(笑)。僕自身、それまではどちらかというとルールを守り、型にハマって生きてきたので、いきなりそれは斬新すぎるよ、と。そんなことをしたら家庭が壊れると思ったので。

みか そうだね。いろいろ話し合ったけど、結局解決策は浮かばなくて。私に彼氏を作るというのは現実味がないと思っていました。そもそもそんなことを了承してくれる相手がいるわけないと。

――でも、ある時「夫公認彼氏」の候補が現れるわけですよね。

「夫公認彼氏」ができてからの意外な夫婦関係

わかぴょん そうですね。出会いは意外なところにあって(笑)。でも、最初は複雑でした。これでセックスレスで悩まなくていいんだという気持ちと、家庭が終わってしまうという気持ちと。なによりみかの気持ちが離れてしまうという不安が大きかったです。

みか 私はその時には腹を括っていたので、わかぴょんに何と言われようが、彼氏を作ると決めていました。たとえわかぴょんに「離婚しよう」と言われたとしても、自分の気持ちを我慢したまま一生を終えるわけにはいかないと思っていたので。

――「夫公認彼氏」ができてからの生活はいかがでしたか。

わかぴょん 驚くほど全てが上手くいくというか。悩んでた時間は何だったんだっていう感じでした。みかとの関係もすごく良くなったし、家族としても順調で。

みか わかぴょんのことをより大切に思えるようになりましたね。初デートから帰った日はわかぴょんに対して、「こういう関係をOKしてくれてありがとう」という気持ちでいっぱいになりました。

 彼氏ができたことで、それまでの悩みもなくなって、気持ちも明るくなりましたね。わかぴょんが心配していた家庭が壊れるということもなく。むしろ家族としての絆がアップグレードされたというか。

――離婚をするという選択肢もあった中で、夫婦関係は継続していく形を取ったのはどうしてでしょうか。

わかぴょん お互いに自分の思いを譲らなかったからですかね。僕自身、結婚したらパートナーとはいつまでも仲の良い親友というか茶飲み友達のような関係を理想としていたんです。でもみかは結婚してからも彼氏彼女のような関係を求めていた。普通だったらどちらか一方の気持ちを尊重するんだろうけど、僕たちはどちらも譲らなかった。

 その結果、どちらも叶えてるんですよね。僕はみかと茶飲み友達のような関係だし、みかと彼氏はとてもラブラブで。子どもたちはみかと私で協力して育てている。

みか こうじゃないといけないっていう枠組みみたいなものから抜け出したのが大きいよね。あまり一般的な夫婦じゃないけど、それをお互いに良しとした。もちろん堂々とこれで良いんだと思えるまではすごく時間がかかったけど。

【マンガ】

『夫公認彼氏ができました セックスレスにとことん向き合った夫婦の13年レポ』を読む

「僕はもうセックスのことで責められなくていいんだと」妻の彼氏と同居、離婚…セックスレスだった元夫婦が語る、「その後」の生活 へ続く

(「文春オンライン」編集部)