地元の警察がタイミングを決めている!

 街のなかを走っていると、信号機の変わるタイミングについて、あれこれ思うことがある。「なんでこんなタイミングで変わるわけ?」「今日は珍しくあまり信号に引っかからなかった」「何か、やけに赤信号(黄色信号)が長いんだけど」「いったい誰が決めているんだ?」などなど。こうした信号機の表示が変わるタイミングは誰が決めているのか?

 そもそも「信号機の時間間隔」のことを「現示」という。信号機は各都道府県の公安委員会によって設置されるが、管理は警察が行い、現地信号機か警察署の集中管理センターで現示の調整をしている。つまり、地元の警察が信号機の変わるタイミングを決めているというわけだ。だから当然、地域によって信号の変わるタイミングは違う。

 信号機には、青、黄、赤の信号を決まった時間で繰り返し表示する「定周期式」のほか、感応式や押しボタン式があるが、もっとも一般的な「定周期式」も曜日や時間帯、交通量などに合わせて、「現示」が細かく調整される「プログラム多段制御」や、交通量の多い道の信号が連続して青になるようプログラムする「系統制御」の信号が増えてきている。

間隔は「信号制御の三大要素」で決まる

 公益財団法人日本交通管理技術協会によると、こうした「現示」は「サイクル」「スプリット」「オフセット」の、信号制御の三大要素で決まるという。

 サイクル:青→黄→赤の順に表示が変わるその一巡する時間のこと。50秒〜140秒が基準で、交差点が大きく交通量が多いほど長く設定される

 スプリット:1サイクルの時間のうち一方向に割り当てられる信号時間の配分のこと。例えば交通量の多い主要道路側が60%、交差する細い道側が40%といった具合になる

 オフセット:隣接する交差点間の青信号が始まる時間にずれを持たせることで、交通量の多い道を走るクルマが、なるべく赤信号に引っかからないように走れるようにするために作られる「ずれ」

 これらを上手く組み合わせることで、交通事故の防止とスムースな走行を確保するのが、信号機の役割なのだが、あちらを立てればこちらが立たずというジレンマもあり、なかなか誰もが満足できる信号のタイミングを作り出すのは容易ではない……。

 AIや信号機のセンサー、カメラ、その他を統合して、より効率的な信号システムへの進化を目指しているところだが、流れを優先するか、事故防止を優先するか、歩行者を優先するかでも、プログラムが変わってくるので一筋縄ではいかないところ。

 ちなみに黄色信号の長さにも地域に差があり、関東地方の黄色信号は比較的短いとされている(全国平均は3〜4秒)。

 いずれにせよ、理想の信号のタイミングになるのにはまだまだ時間がかかりそうだが、たとえ赤信号にちょくちょく引っかかってしまったとしてもイライラせずに、一息入れてタイミングをずらしたりするなどして、安全運転をキープしよう。