ルイス・ネリ【写真:Getty Images】

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WBCのスライマン会長がメキシコメディアでネリへの怒り語る

 ボクシングの元WBC世界バンタム級王者のルイス・ネリ(メキシコ)は前IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦の前日計量でオーバー。ロドリゲスが罰金を受け取った上での規定体重外での対戦に応じず、WBC世界バンタム級挑戦者決定戦は中止となった。WBCのマウリシオ・スライマン会長はWBCが本部を置くメキシコメディアに対し、ネリの蛮行に「減量の努力を見せようともしないのは人としてありえない」と怒りを爆発させている。地元ラジオ局「Hoyタマウリパス」が報じている。

 WBCシルバー王者のネリはロドリゲスに勝てば、正規王者のノルディ・ウーバーリ(フランス)への指名挑戦権を手にできたが、自らの愚行でその舞台を失った。

 スライマン会長はネリが指名挑戦者としての立場を失ったことを「間違いない」と明言。その上で「彼はバンタム級ではない。我々としてはスーパーバンタム級、あるいはフェザー級まで階級を上げることを推奨する」と語ったという。

 昨年3月の山中慎介とのタイトルマッチでも体重を作れず。前日計量で大幅に超過し、タイトルをはく奪されていた。ロドリゲス戦の前のフアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)戦でも1回目の計量でオーバー。2度目でクリアしていた。

スライマン会長は人間性を問題視「減量の努力すら見せないのは…」

 スライマン会長が問題視したのは、体重超過以上に再計量を命じられたにも関わらず、1ポンドを落とす努力を示さなかったネリの人間性だった。

 スライマン会長は「彼は食生活の節制プログラムを行なった。だが、この結末を見ることになった。体重を落とせなかった。それは1ポンド(450グラム)だったが、その努力すら見せないのは、人間として有り得ない」と憤りをのぞかせている。

 再計量を命じられたネリだったが、落とす努力を放棄。ロドリゲス陣営と金銭で折り合いをつけようとしたが拒否されていた。お金で解決しようとしたネリに対し、記事でも「たった1ポンドの超過だったが、このボクサーは減量しようとすらしなかったのだ」と批判している。

 現在ネリの体重超過トラブルに対する調査を進めているというスライマン会長。ドーピング違反、体重超過と問題行動を頻発させるメキシコの雄だが、ベルト再奪取が遠のいたのは確かだ。(THE ANSWER編集部)