6月連戦の出場20選手を査定【写真:Noriko NAGANO & 浦正弘】

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GKは2試合続けてシュミットを起用、エルサルバドル戦で注目を浴びたのは…

 森保一監督率いる日本代表は5日の国際親善試合トリニダード・トバゴ戦で0-0と引き分けた一方、9日の同エルサルバドル戦で2-0と快勝した。

 2試合連続で3バックシステムを採用し、2戦目ではスタメン6人を入れ替えて上々のパフォーマンスを披露。この6月シリーズ2試合で“株を上げた選手”とは誰なのか。出場全20選手を3段階(◎、〇、△)で査定する。

 トリニダード・トバゴ戦では現体制15試合目にして初の3バックを導入。しかし戦術を落とし込むには準備期間があまりに短く、攻守両面における細部での共通理解不足が見られ、3-4-2-1システムは多くの課題を残した。

 対戦相手や出場メンバーの組み合わせが異なるとはいえ、エルサルバドル戦ではパフォーマンスが改善。3-4-2-1システムを再び採用し、両ウイングバックを起点にした攻撃に加え、チームとしての守備対応も良化した。後半途中から4-2-3-1に変更して2システムを使い分けている。6月シリーズの成績と出場全20選手の査定を見ていく。

■6月シリーズ
5日 トリニダード・トバゴ(0-0)
[採用システム:3-4-2-1、得点(アシスト):なし]

9日 エルサルバドル(2-0)
[採用システム:3-4-2-1/4-2-3-1、得点(アシスト):永井(冨安)、永井(原口)]

   ◇   ◇   ◇
※選手名(所属) 2戦出場時間(トリニダード・トバゴ戦/エルサルバドル戦) 成績

■GK
△ シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台) 180分(90/90) 0失点

▼未出場
川島永嗣(ストラスブール/フランス) 0分(ベンチ外/ベンチ外)
権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル) 0分(0/0)
大迫敬介(サンフレッチェ広島) 0分(0/0)

 2試合に出場したのはシュミットのみ。トリニダード・トバゴ戦では好セーブを披露したが、その高い能力を考えれば驚くべき働きではない。エルサルバドル戦では被シュート1本とピンチらしいピンチがなく、注目を浴びたのは相手をいなしたボール捌きくらいか。改めて評価が高まったとは言い難いが、森保監督の好印象は残したはずだ。

守備陣で最も評価を高めた選手は? 傑出していたパフォーマンス

■DF
◎ 冨安健洋(シント=トロイデン/ベルギー) 180分(90/90) 1アシスト
〇 昌子 源(トゥールーズ/フランス) 180分(90/90)
〇 畠中槙之輔(横浜F・マリノス) 149分(90/59)
△ ⾧友佑都(ガラタサライ/トルコ) 79分(79/0)
△ 酒井宏樹(マルセイユ/フランス) 62分(62/0)
△ 室屋 成(FC東京) 59分(28/31)
△ 山中亮輔(浦和レッズ) 31分(0/31)

▼未出場
槙野智章(浦和レッズ) 0分(0/離脱)
中山雄太(PECズヴォレ/オランダ) 0分(ベンチ外/0)

 3バックの中央で統率力を発揮し、2試合連続無失点に抑えた昌子の働きは評価に値する。また畠中も安定した守備を見せ、エルサルバドル戦では原口のアシストにつながる好パスを出し、攻撃の起点になれることを証明した。

 守備陣で最も株を高めたのは冨安だろう。カウンターの芽を摘む素早い出足に加え、サイドチェンジや対角線上のパスで起点としても機能するなど、そのパフォーマンスは傑出していた。

 実績十分の長友と酒井は初の3バックシステム採用で物足りなさを残し、室屋と山中も十分にアピールしたとは言い難い。

代表デビューの久保、圧巻だったのは… 久保以上にチームを支えたMFが◎

■MF
◎ 橋本拳人(FC東京) 90分(0/90)
◎ 久保建英(FC東京) 23分(ベンチ外/23)
〇 原口元気(ハノーファー/ドイツ) 78分(11/67) 1アシスト
〇 小林祐希(ヘーレンフェーン/オランダ) 109分(29/80)
〇 伊東純也(ヘンク/ベルギー) 78分(19/59)
△ 中島翔哉(アル・ドゥハイル/カタール) 94分(71/23)
△ 南野拓実(ザルツブルク/オーストリア) 86分(19/67)
△ 堂安 律(フローニンゲン/オランダ) 161分(71/90)
△ 柴崎 岳(ヘタフェ/スペイン) 100分(90/10)
△ 守田英正(川崎フロンターレ) 61分(61/0)

▼未出場
香川真司(ベジクタシュ/トルコ) 0分(0/離脱)

 エルサルバドル戦に途中出場し、歴代2番目の若さとなる18歳5日で鮮烈デビューを飾った久保は、短いプレー時間のなかで期待値に見合う存在感を発揮。2人抜きのドリブルから放った代表初シュートの場面は圧巻だった。その久保以上に陰でチームを支えていたのが橋本だ。小林とともにバランスを取りながら、機を見た縦パスで攻撃のリズムを活性化。エルサルバドル戦で効いていた1人だった。

 その橋本と2ボランチでコンビを組んだ小林は、試合の中でポジショニングの改善が見られ、指揮官へアピール。エルサルバドル戦で永井のゴールをアシストした原口は左ウイングバックの適性を存分に見せつけ、果敢に仕掛ける一方、守備でも運動量を発揮した。トリニダード・トバゴ戦ではシャドーに入った伊東は、右ウイングバックに入ったエルサルバドル戦で躍動。スピードを駆使した寄せと突破が光り、攻撃のオプションになり得ることを印象づけた。

 シャドー組の中島、南野、堂安は、これまでの活躍を考えれば物足りなさが残った。中島はドリブルで切り裂き、南野は裏への抜け出しで好機を作ったが、新たな収穫とは言い難い。エルサルバドル戦でシュート1本に終わった堂安もノーインパクトに近かった。

 トリニダード・トバゴ戦で先発した柴崎と守田の2ボランチコンビは、チームの出来と連動するようにバランス取りに苦戦。攻撃時のつなぎ、守備時の連動で課題を残したが、その経験はチーム内で共有されて橋本&小林コンビで改善が見られた。

大迫の高い能力を考えれば及第点、残った課題は? 最もインパクトを放った韋駄天

■FW
◎ 永井謙佑(FC東京) 59分(0/59) 2ゴール
△ 大迫勇也(ブレーメン/ドイツ) 121分(90/31)

▼未出場
岡崎慎司(レスター/イングランド) 0分(ベンチ外/ベンチ外)

 エースFW大迫は自らの役割を全う。守備では相手の起点を抑え、攻撃でもターゲットマンになったが、高い能力を考えれば出来は及第点の範疇か。とりわけトリニダード・トバゴ戦では大迫が相手を引き付けるも、2シャドーとの関係性に課題が見られた。

 最もインパクトを与えたのが永井だろう。FW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)の負傷を受けて約4年ぶりの招集となったなか、エルサルバドル戦では1トップとして先発出場。スピードを駆使して裏のスペースを突き、鋭い切り返しで相手2人を翻弄した先制弾を叩き込んだ。

 代表7試合目にして初ゴールをマークした永井は連続ゴールで1試合2発と爆発。守備でも韋駄天でプレッシャーを与えるなど攻守両面で機能した。肩を痛めて後半途中に交代したが、試合後に取材エリアに現れて無事をアピールしている。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)