首相官邸

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 政府と与野党による社会保障国民会議の実務者会議は20日、「給付付き税額控除」の制度設計に関する「議論の整理」を公表した。

 導入時には税額控除(減税)は組み合わせず、所得と連動させた給付に一本化して行うとした。支援対象は税や社会保険料の負担感が強い「中低所得の勤労世代」とすることも明記した。

 6月にも行う中間取りまとめに向け、有識者会議と実務者会議のこれまでの議論を踏まえて作成された。20日の実務者会議後、議長の小野寺五典・自民党税制調査会長は「おおむね認識がそろってきた」と述べた。

 議論の整理では、制度の導入目的として〈1〉中低所得の現役勤労者の負担を軽減し、手取りを増加させる〈2〉「年収の壁」などによる働き控えを緩和し、就労促進を図る――ことを挙げた。

 支援額は、給与所得など勤労性の所得に応じて変動させるとした。低年収帯では所得が増えれば支援額が増加する一方、一定所得を超えると減少に転じ、最終的にゼロとするイメージも示した。把握が難しい金融所得や資産を勘案することは、将来的な課題と位置付けた。

 恒久財源を確保するメドが立つ範囲で支援額を設定し、赤字国債には頼らない方針も示した。支援単位は世帯でなく「個人」を原則にすると整理した。

 まず給付のみで開始するのは、早期に制度を導入するためだ。税額控除を組み合わせると、「制度が複雑となり事務負担が重くなる」と指摘した。与党側の出席者は「将来的には、控除との組み合わせもあり得る」とも語った。

 働く高齢者を支援の対象に含めるかに関しては、明確な方針は示さなかった。子育て世帯に手厚い支援を行うかどうかも、推進論と反対論の両論併記にとどめた。

 給付付き税額控除の導入は高市首相の肝いりで、首相は導入までの「つなぎ」として食料品を対象とした2年間限定の消費税減税を位置付けている。首相は20日の党首討論で、国民会議で中間取りまとめが策定され次第、消費税減税の関連法案をできるだけ速やかに国会提出する考えを示した。