防御率はトップ(ロサンゼルス・ドジャースの公式Instagramより)

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待望の一発だが…

 ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(31)に「14試合、53打席ぶり」となる7号ソロが、5月12日(日本時間13日)に出た。5月に入って極度の打撃不振に陥っており、前日の11日(同12日)までの月間打率は、1割1分1厘まで下がっていた。

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「前日も同じサンフランシスコ・ジャイアンツ戦でした。12日に先発したエイドリアン・ハウザー(32)が大谷に打たれたのは、緩い外角のシンカー。前日の5回の第3打席で大谷はチェンジアップの4連投に裏をかかれたのか、体勢を崩しての空振り三振を喫しています。12日、ジャイアンツバッテリーは初回の第1打席でも緩い変化球を使っており(右前打)、緩急で勝負する作戦を立てていたようです」(現地記者)

 同じ轍は踏まないということか。現地記者によれば、「5打数ノーヒット、2試合連続ヒットナシ」に終わった11日、大谷はゲームセットと同時にロッカールームに向かい、そのまま球場を後にしたそうだ。その間、僅か10分足らず。ロッカールームに引き上げてきた一部のドジャース選手や米メディア陣も驚いたほどで、本当に悔しかったのだろう。

防御率はトップ(ロサンゼルス・ドジャースの公式Instagramより)

「12日に先発した山本由伸(27)と冗談を言い合うなど、明るい様子も聞こえてきました」(前出・同)

 しかし、打者・大谷の完全復帰には、もう少し時間が掛かりそうだ。

 というのも、ドジャースが大谷の二刀流について、フィジカル面でのデータ解析を進めていることが判明した。

「12日の試合後、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(53)は試合前に話した大谷の今後の調整プランを訂正しませんでした。試合前は『まだ決定ではないが』と前置きしていましたが、試合後は『そのつもりだ』と言い切っています」(前出・同)

 その「調整プラン」だが、試合前にロバーツ監督は投手・大谷の次回登板日を聞かれ、「予定通り」と答え、翌13日の同カードであるジャイアンツ戦に先発させ、7回無失点で1ヵ月ぶりの3勝目を挙げた。4月15日以降、投手・大谷は「二刀流」を封印しており、先発する日は「1番・DH」の指定席を他選手に譲ってきた。「打撃不振による配慮」というのが米メディアの受け取りだったが、実はそうではなかった。

「まだ決めていない。でも、木曜(14日)には(大谷が)打たないことは分かっている。そして明日(13日)に関しては、打たせない方向に傾いている。おそらく今後は2日間打たせない方向になると思う」

 ロバーツ監督は、大谷が先発する13日(日本時間14日)はこれまで通り、投手に専念させると明かしたが、今回は、先発した翌日は休養させる意向だと話したのだ。

「なぜかというと、先発登板した翌日は、打撃成績が良くないんです」(前出・同)

投げた翌日は…

 大谷が打撃不振に陥ったのは4月12日以降。この時点では大事と捉えられていなかったが、13、14日と続けて4打数無安打と落ち込み、15日に初めて「先発投手兼DH」の二刀流出場をしなかった。翌16日は移動日で、17日のコロラド・ロッキーズ戦は5打数2安打。第1打席と第2打席に快音を響かせたが、ドジャースは二刀流のフィジカル解析について、ある仮説を立てたという。

「打撃の不振に投手調整が影響している。登板に向けた調整と、登板による疲労を調べなければならない」

 ドジャースの打撃担当・アーロン・ベイツコーチ(42)は、大谷が4月26日に60打席ぶりの今季6号を放ってから再び不振に陥った際、「タイミングの問題。打てるリズムを模索している」と話し、ケージで行うフリー打撃のルーティンを変更するなどして対策していくと語っていた。だが、ロバーツ監督は「二刀流の疲労がメカニックに影響を及ぼしている」と言い切っている。

 どうやら今季、開幕から二刀流でフル回転したことが打撃面を狂わせたようである。ドジャースは二刀流として復帰した昨季から、大谷の映像や打球速度、先発登板した日は球速やスピン量、変化球の軌道などを数値化してきた。とくに登板日の前後の打者成績や打球速度を重ねるなどし、フィジカル面での調整には神経を尖らせてきたそうだ。

 興味深いのは、大谷が打撃不振に苦しんでいた5月6日、米ポッドキャスト番組「Foul Territory」にリモート出演した、元ロサンゼルス・エンゼルス監督のジョー・マドン氏の発言だ。エンゼルスとマドン氏は、二刀流のフィジカル管理における最初の担当でもある。マドン氏はこう明かした。

「スプリングトレーニング中にミーティングを開き、ルールは一切ナシにした。つまり、私からショウヘイに『君が教えてくれ』と。私はリトルリーグ以来、投げて打つ二刀流の選手を扱った経験がなかったので、本当にその部分には干渉したくなかったんだ。当時、唯一決めていたのは『彼の足が全て』。下半身が少しでも疲れているとこちらが感じたら、投打同時は絶対にやらない。そして、投げる前夜に彼自身から『明日はこうする』と報告してもらっていた」

 これでは、大谷自身が一人だけで二刀流のフィジカル管理を行っていたのも同然だ。また、4月15日と22日、5月5日と投手のみの出場が続いていることについても質問されたが、それについてはこう語っている。

「ドジャースがどうしているのか興味がある。これは、ショウヘイのアイデアなのか、球団なのか。彼の性格を知る限り、彼は自分が投げる日に打ったほうが、チームが勝つ確率が高いと信じている。だから私は、どこからその話が出てきたのか知りたい。年齢を重ねるにつれて、それが一つの要素になってくるとは思うけどね」

早くも揺さぶりが

 登板する日も打者出場したいと要求してくる大谷をドジャースが諌めたのは、「10月のポストシーズンマッチを見据えてのこと」(現地記者)だろう。20代だったエンゼルス在籍中と32歳を迎える今では、疲労回復のスピードも異なるはずである。

 打撃不振に喘いでいた4月20日、シカゴ・カブスのクレイグ・カウンセル監督(55)が二刀流の大谷ルール(投手として降板してもDH出場が可能で、代打や代走が出てもマウンドに立てる)を批判し、米メディアが「今さらなぜ?」と首を傾げていた。

 しかし、カウンセル監督は今季、監督通算900勝目も上げた名将である。二刀流のフィジカル管理に戸惑っている大谷とドジャースに、揺さぶりを掛けたのかもしれない。

 投手・大谷はサイ・ヤング賞も狙えるほど絶好調だが、二刀流を続ける難しさも再認識しているようだ。

デイリー新潮編集部