ABS秋田放送

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1年の中でも比較的、天候が安定しているこの時期、県内各地で盛んに行われるのが、住宅のリフォーム工事です。

とびや大工など、様々な職人が携わりますが、毎日を過ごす部屋の内装を美しく蘇らせるのが、壁紙を貼る職人です。

その技術を競う大会で日本一に輝いた男性が秋田市にいます。

熟練の技、そして技術の継承に取り組む姿を取材しました。

■「夢を見ているよう」栄冠を手にした職人

今年3月、神部副知事の元を訪れた一人の男性。

「よろしくお願いします」

秋田市で内装工事の会社を経営する浦山良さん49歳です。

神部副知事
「県民として大変うれしく、そして誇らしく思います。おめでとうございます」

浦山良さん
「これ以上ない結果、自分も信じられない、まだ、夢を見ているような」

今年2月、ある「栄冠」を手にしました。

全国の職人が技術を競う2年に一度の全国大会「技能グランプリ」。

400人余りが集まりました。

浦山さんが出場したのは壁紙を貼る技を競う「壁装」の部門です。

のりを吸って伸びたり縮んだりする壁紙。

その特性を踏まえながら寸分の狂いもなく柄を張り合わせる施工技術が評価され、日本一に輝きました。

浦山さん
「入賞している(組合の)先輩たちがたくさんいて、そういった先輩たちの表彰台にのぼってる立ってる姿を見て、私もやっぱり憧れて。そういう意味では自分も全国でどこまで自分の技能・技術が通用するかなと思って出場してみたいなと」

■日本一の職人が守る先輩の教え

10代から技を磨いてきた浦山さん。

一貫して守っている先輩たちからの教えがあります、

浦山さん
「基本に忠実に、基本通りのことを丁寧にやりながら、それをいかに手早くテンポよくスピード上げて貼っていけるか」

壁紙を貼る前に行うのが、下地となる壁を平らにならす不陸調整と呼ばれる作業です。

凹凸のない、滑らかな仕上がりは豊富な経験があってこそ。

壁紙のつなぎ目をいかにきれいに仕上げるかも技の見せどころです。

壁紙の厚さや硬さを見極めながら慎重に作業を進めます。

のりが乾くことでどれくらい縮むかも計算しながら仕上げます。

一見するとまるで同じ1枚の壁紙のようです。

■職人不足が課題となる中…浦山さんの思い

壁装に向き合って30年余り。

技能グランプリで日本一の栄冠を手にした今、新たに取り組んでいることがあります。

浦山さん
「ここはですね、グランプリに向けて普段練習してた部屋になります」

大会に向け、技を磨くために借りたアパートの部屋でこの日、ある人を待っていました。

以前、浦山さんのもとで働いていた北林裕さんです。

技能グランプリの出場条件で、一人前の証ともいえる「1級技能士」になるため、浦山さんのもとを訪れました。

浦山さん
「布(の壁紙)は正確じゃないから柄を見てカットしたい」
北林裕さん
「お~」

1級技能士の試験を7月に控える中、日本一の先輩から学びます。

北林さん
「憧れですかね」
「人柄と、人柄とか、あと、技術面とか他にもいろいろあるっすけど言葉にできないっす(笑)」

きょうの課題は、目透かしと呼ばれる隙間の仕上げです。

壁や天井が湿気で膨張して割れるのを防ぐ機能がある目透かし。

しっかりと抑えて貼らなければ壁紙が浮いてきてしまいます。

北林さん
「難しいです」

壁紙を貼る職人は慢性的に不足していて、繁忙期には受注を断らざるを得ないケースも少なくありません。

素早く丁寧な仕事ができる職人を育てたい。

浦山さん
「いい(笑) あとは、のり(の濃さが)よければ」
「上出来!いい」

次の世代へと受け継がれる技術と心構え。

浦山さん
「人に信用される仕事とか、信頼されてやっぱりまた依頼が来てってあるので、ただ貼れればいいではなく、やっぱりそういった信頼されるような仕事をみんなに心がけてやってもらえればなと思ってますよね」

職人の不足が課題となる中、浦山さんは、見えない継ぎ目に宿る技を次の世代へとつないでいきます。

※5月14日午後6時15分のABS news every.でお伝えします