「死体遺棄では許されない」京都府警の執念がたぐり寄せた安達優季容疑者の“殺人再逮捕”
「窒息死の疑いがある」
事件が大きな転換点を迎えた――。
京都府南丹市の市立園部小に通う安達結希くん(当時11)の遺体が遺棄された事件で、京都府警は5月6日、市内の公衆トイレで結希くんを殺害したとして、父親の安達優季容疑者(37)を殺人の疑いで再逮捕した。
再逮捕容疑は、結希くんが行方不明になった3月23日朝ごろ、自宅近くにある公衆トイレ内で結希くんの首を絞めて殺害した疑い。府警によると容疑者は
「両手で首を絞めて殺した」
と供述しているという。
捜査員の執念がようやく実りつつある。結希くんの遺体は目立った外傷もなく、死後かなりの時間が経過していたため、司法解剖の結果は「死因不詳」。その時点で容疑者は殺害を認めていたが、裁判で供述をひっくり返された場合、公判維持が難しくなる可能性があった。
そのため当局は他に殺害を裏付ける物証はないかと調べ、同時に優季容疑者を立ち会わせて“引き当たり捜査”を行い、状況証拠を固めていった。
「その矢先、司法解剖のほかに行っていた専門家による詳しい鑑定で『窒息死の疑いがある』という結果が出た。これで“本丸”の殺人容疑での逮捕に向け道が開けた」(警察関係者)
京都府警は4月16日に優季容疑者を死体遺棄容疑で逮捕したが、京都地検は「処分保留」としていた。これは“罪に問えない”というわけではなく、より罪の重い殺人罪で起訴する流れを汲んだものとみられる。
「府警内では早々に『必ず殺人容疑で挙げる』と共有していた。優季容疑者の身勝手な犯行に憤る捜査員もいた」
と本サイトの取材に話すのは、現場を取材した全国紙社会部記者。一部報道では優季容疑者が息子の殺害を認めた際、捜査関係者は涙し
「こんなにひどい……かわいそうな事件はない」
と漏らしたことも伝えられている。
本当の父親じゃないなどと言われ
「結希くんの事件に関わった捜査関係者は消防団を含めて1000人以上。府警は捜査に影響を及ぼすという理由で最小限の情報だけを公表してきた。ネット上では行方不明後の捜索に対し『遅い』『何やってるんだ』など心ない声も飛んだが、そのウラで府警は優季容疑者に狙いを定めて行動確認していた。やがて国民的な関心事となり『これで死体遺棄では許されない』という空気になった」(同・全国紙記者)
容疑者は結希くんの遺体を少なくとも市内4ヵ所に移動していたことがわかっている。3月23日朝に結希くんを車で学校に送ったものの、そこでは降ろさず市内の公衆トイレへ。絞殺したのち、遺体を車に乗せ自宅近くの裏山や通学用ランリュックの発見場所、スニーカーの発見場所、そして遺体発見場所の山林に移動させていったとみられる。
当初、捜査を攪乱する狙いがあるとみられていたが、スマホの位置情報に“足跡”が残っていたり、防犯カメラに映るリスクが増大するため稚拙な犯行と言わざるを得ない。前出の警察関係者によれば、
「殺害したあと、どうしていいかわからなくなったのではないか。ニュースで自身に捜査の手が迫っていることを知り、不安に駆られて次々と遺体の場所を変えたように思う。遺棄については行き当たりばったりの印象を受ける」
と明かす。
残された謎は3月23日の朝、結希くんと容疑者との間で“どんなやり取りがあったか”だ。結希くんは母と再婚し、安達家に婿入りした容疑者を快く思っておらず、周囲に
「変なオッサンが家に来てケンカばかり。家に帰りたくない」
とこぼしていた。優季容疑者も警察の取り調べに対し
〈本当の父親じゃないなどと言われ、腹が立って殺した〉
と供述していると5月7日に読売新聞など、各紙が報じている。
正式に殺人事件となった今、動機の解明が急がれる――。
