27日、米ニューヨークの国連本部で開幕した核拡散防止条約(NPT)再検討会議=金子靖志撮影

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 【ニューヨーク=金子靖志】核軍縮や核不拡散の取り組みを点検する核拡散防止条約(NPT)再検討会議が27日、米ニューヨークの国連本部で開幕した。

 米国の対イラン軍事作戦で緊張が高まる中、米イランの応酬で幕を開け、条約体制の維持・強化を目指す議論の難航を印象づけた。

 火種となったのは、イランが会議運営に関わる副議長国の一つに選出されたことだ。米国代表は、イランが核計画を巡り国際原子力機関(IAEA)への協力を拒んできたとして、イランを副議長国に選ぶことは「NPTへの侮辱だ」と主張。選出は「恥ずべきことで、会議の信頼性を損なう」と述べた。

 これに対し、イラン代表は「根拠のない政治的非難だ」と反論した。「米国こそ核戦力の近代化を進め、(2018年に)イラン核合意から一方的に離脱した」と批判し、米イスラエルによるイラン核施設への攻撃は「国際法の重大な違反で、世界の核不拡散体制への直接の攻撃だ」と述べた。

 一方、国連のアントニオ・グテレス事務総長は演説で「核の威嚇が再び行われ、不信感が蔓延(まんえん)している」と危機感を示した。日本の国光文乃外務副大臣は「核兵器による死と苦しみを許してはならない」と語った。

 NPTは米露英仏中の5か国を「核兵器国」と定め、それ以外の国には核兵器の取得を禁じる条約で、191か国・地域が加盟する。2015年、22年はいずれも最終文書の採択に失敗した。会期は5月22日まで。