「ベビーカー論争」や「無痛分娩論争」など、たびたびネットで論争になる、出産・育児の問題。そんな中、今、話題になっているのが「共働きしながら育児は無理ゲー」。

【映像】3時就寝→7時起床…正社員で“共働き”していた頃の女性のスケジュール

 きっかけは、日経新聞の記事で夫婦ともに正社員共働きという世帯が、2020年時点でおよそ170万世帯と、過去10年で1.5倍に増えたと指摘。その結果、「世帯収入は増えたものの、共働きでは家事・育児をするのは難しい」というもの。

 この記事に対し、Xでは「夫婦で平等に育児を分担しないと両立は無理」「寝不足とストレスで寿命が縮む」「共働きしなくても育児できる社会を目指すべき」など、共働きと育児を両立する難しさを訴える声があがっている。

 共働きで育児は無理なのか。『ABEMA Prime』では、当事者に話を聞いた。

■「行かないで」と泣く我が子を引き剥がす罪悪感

 フルタイムで共働きをしていたが、出産後に働き方を変えたエッセイストのyuzukaさん。当時の苦悩について、「リモートワークで管理職をしていた。一見、両立できているように見えるが、子供に熱が出ても休みづらく、会議を優先しなければならない。3歳の子どもが泣き叫ぶ中、トイレにこもって泣き声を無視して顧客対応を続けるうちに、『これが本当に両立と言えるのか』とモヤモヤするようになった」と振り返る。

 さらに、「子どもが2歳くらいの頃、真っ先に覚えた言葉が『行かないで』だった。準備を始めるとしがみついて泣く子を引き剥がしていくのは、ネグレクトをしているのではないかという罪悪感に苛まれた」と明かした。

 育児のために仕事を辞め、現在は専業主婦のチニキンアナゴさん(40代)も、同様の経験があるという。「最初は認可外保育園に預けてフルタイムで働いていた。朝、先生に子どもを預けて仕事に行くが、道路まで『ママ、ママ』と泣き叫ぶ声が聞こえてくる。それを聞きながら歯を食いしばって出勤するのは、思い出しただけで泣きそうになるくらい苦しかった」。

■「睡眠時間が足りない」限界のスケジュール

 共働き家庭を悩ませる大きな要因の一つが、圧倒的な時間の不足だ。yuzukaさんの当時のスケジュールを見ると、日中にリモートワークをこなし、子どもを迎えに行った後、寝かしつけを終えた夜10時から深夜3時まで再び仕事をする日々だった。

「リモートワークだと、子供を迎えに行ってからもパソコンで仕事ができてしまう。早く寝てくれれば仕事ができるという感情になり、寝かしつけの時間が『今の時間があれば仕事ができるのに』と虚無に感じていた。睡眠も足りず、読み聞かせなんて夢のまた夢だった」(yuzukaさん)

 モデルでタレントの西山茉希は「仕事をするキャリアウーマンの脳と、母親の母性がぶつかっている。命を守りながら、言葉の通じない子どもと向き合うのは本当に大変。私は『両立』という言葉を自分の中から外した。誰かと比べるのをやめるのが私のやり方だった」と語った。

■母親の就労は子供の成長に悪影響を与えるのか

 真生会富山病院の心療内科部長、明橋大二氏は、共働きについて、「実際は『母親の就労』の問題として議論されることが多い。父親が仕事か育児かで迷うことはまだ少ない。母親が仕事に出た場合と出ない場合で、子どもの成長には一切変わりがないという結論が多くの調査で出ている。お母さんが仕事に出たからといって、成長が遅れるようなことはない。大事なのは、母親も子供もハッピーな方法を選ぶことだ」との見方を示す。

 一方で、「親の前で自分を出せない子ども」が増えている実感を危惧している。「外ではやんちゃなのに、親が迎えに来た途端にいい子になる。親に甘えたくても甘えられず、我慢しているケースがある。子供が『大丈夫』と言っているときこそ、親がその我慢に気づいてあげることが大切だ」。

 “大物マダムタレント”のアレン様は、「うちは小さい頃から共働きで、親が夜勤でいないこともあった。でも寂しいと思ったことはなく、それが当たり前だった。親が朝、手書きで『今日これ食べてね』と置き手紙を書いてくれていて、そこに愛を感じていた。もし心配なら、子供に『寂しくない?』と聞いてあげるだけでも意思疎通が図れるはずだ」と主張した。

(『ABEMA Prime』より)