見上愛

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 NHKの朝ドラ「風、薫る」が早くもまずいことになっている。3月30日の初回視聴率は歴代ワースト2位となる14・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。以降も14・2%、14・0%と下がり続け、4月7日の第7話は14%を割って13・6%、その翌日には13・1%に……。

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 ちなみに、初回視聴率の歴代ワーストは松下奈緒がヒロインの『ゲゲゲの女房』(2010年前期)の14・8%だ。民放プロデューサーは言う。

「ただし、『ゲゲゲの女房』の場合、朝ドラのスタート時間がそれまでの8時15分から8時に変わったこともあり、視聴者が戸惑ったことが考えられます。事実、翌日の第2話は15・5%となり、6月には20%を超え、番組最高は23・6%、平均視聴率は18・6%を記録しました。今でも傑作という呼び声が高い作品となっています」

見上愛

 ならば、初回の数字はそれほど気にすることはないということか。

「前作の評判が悪かったりすると、それに引きずられることもありますしね。そうは言っても、『風、薫る』は初回からの下がり方が尋常ではありません。第8話で13・1%ですから」

 13・1%といえば、橋本環奈がヒロインの「おむすび」(2024年後期)が打ち立てた朝ドラ歴代ワーストの平均視聴率と同じだ。不吉な数字である。

「『おむすび』の初回は16・8%でした。高視聴率だった『虎に翼』の次だったことも影響していると思います。ただし、結局、最終話まで初回の数字を超えることはなく、平均視聴率はワーストを記録。それでも第2週までは14%を超えていましたが、『風、薫る』はそれを下回るペースで数字を落としています。このままではワースト更新は確実です」

 何がそれほどいけないのだろう。

鈴木アナまで「ずっとつらい」

「正直言って、演出から脚本、ヒロインまで総取っ替えしないと無理かもしれません。SNSでは早くも反省会が開催されていますが、その考察の全部が当たっていると思います。視聴者を舐めてはいけません。番組を見るかどうかを決めるのは視聴者なのですから」

 13・1%を記録した4月8日、続く「あさイチ」の“朝ドラ受け”では鈴木奈穂子アナがこぼしていた。「いやー、つらいですね今週も。ずっとつらい……」と最初からまずいとでも言いたげだった。

「その通りです。明治初期が舞台ですから、砂埃が舞うような演出は当時の日本を忠実に描いてはいるのでしょうが、前作『ばけばけ』と同じ時代なので暗い画面は一緒。すでに飽きてしまいました。その上、1週目からコレラの蔓延が描かれて、唯一の明るいキャラだった北村一輝も第4話で死去……。夢も希望もありません。そしてWヒロインというのも良くない」

 ヒロインは見上愛(25)と上坂樹里(こうさか・じゅり=20)の2人で、まだ働く女性の地位が確立されていなかった明治時代に看護師になった大関和(おおぜき・ちか)と鈴木雅(すずき・まさ)をモチーフにしている。Wヒロインの朝ドラには1996年後期の「ふたりっ子」などがあるが、家族ではない他人の2人をヒロインにしたのは初という。

展開が早すぎる

「見上はオーディションではなく一本釣りです。すでに民放のドラマで主演も務めているし、JRAのCMでは長澤まさみらと共演してお茶の間にも顔が知られています。なにより2420の大河『光る君へ』で演じた藤原彰子の出産シーンは話題を呼びましたからね。一方の上坂は2410人が参加したオーディションで選ばれました。彼女は見上と違って俳優としての経験は浅い。そのためセリフはやや棒読みです。これは彼女のせいではありませんが、明治にあんなきれいな人がいるのかと思ってしまう」

 イチャモンである。だが、2人をヒロインにしたために弊害が生じているという。

「15分という短い時間に別々の2人の物語を詰め込もうとするため、テンポが速い。見上が演じる一ノ瀬りんは2週目で三浦貴大と結婚しますが、第7話で出産、第8話ではその子が立ってしゃべっていました。そして離婚の危機という展開ですから、何が何だかわからず脱落する人が続出しています」

 さらに、ヒロインが何者なのかという問題も。

実在する有名人こそ“朝ドラの王道”

「“明治のナイチンゲール”だった2人を描くということですが、ほとんどの人がモデルとなった人物について何も知らないのではないでしょうか。『ばけばけ』は小泉八雲、その前の『あんぱん』はやなせたかし。やはり、よく知られた実在の人物の物語こそ朝ドラの王道なのだと思います」

 平均視聴率21・0%の「なつぞら」(2019年前期)はアニメーターの物語で、特定のモデルはいないと言われたが……。

「朝ドラ第100作という記念碑的な作品で、ヒロインは広瀬すず、相手役は吉沢涼、中川大志もいました。さらに、松嶋菜々子や山口智子といった歴代朝ドラのヒロインを出演させるなど、超豪華キャスティングでしたから例外と言っていいでしょう。実在しないギャルをヒロインにして大失敗したのが『おむすび』です」

 その「おむすび」を超える勢いで下降しているのが「風、薫る」なのである。

「鈴木アナではありませんが、正直言って今後見続けるのがつらいですね。制作陣には視聴者目線でテレビを見てもらって、朝の気分とかヒロインの見え方を総取っ替えするつもりで挑んでもらいたいですね」

デイリー新潮編集部