実はドバイをしのぐ先進国家 米・イスラエルが手を焼く「イラン」の“驚くべき姿” 「世界の地下経済とつながっている」
イランに対する大規模な軍事攻撃が開始されてから1カ月余り。今やゴーストタウンと化した首都テヘランだが、かつては洗練された先進国家の様相を呈していた。
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【実際の写真】ドバイモールの3倍以上! 「イラン」の豊かさを象徴する“驚きの光景”
世界6位の自立式タワー
テヘランにそびえる塔の名はボルジェ・ミーラード。ペルシャ語で「誕生の塔」を意味し、自立式タワーでは世界6位の高さを誇る。国際コンベンションセンターや五つ星ホテルも併設されているという。
タワー前のハイウェイもきれいに舗装され、それなりの交通量で走る車も乗用車ばかりで、ものものしい軍用車やオンボロ作業車の姿もなかった。
その国家を“敵”にさだめ、いま攻めあぐねているのが米国とイスラエルだ。

かつての風景を振り返るに、世界に冠たる軍事大国と諜報国家が手を焼く理由は十分に伝わってくるものだが、さらに驚くべきイランの実像をお伝えしよう。
ドバイモールの3倍以上
テヘラン上空からハイウェイを俯瞰すると、インターチェンジが煌々と照らされていた。周囲には住宅が整然と並び、一様に明かりがともる。
さらにこの街を、4000メートル級の峰々、アルボルズ山脈を背景に望見すると、高層ビルがいくつも立つことに気付く。
そして、その山脈の麓には2018年、世界最大級のショッピングモール、イランモールが完成した。総床面積は195万平方メートルともいわれ、あのドバイが誇るドバイモールの55万をはるかにしのぐ。大小2000余りはあるといわれるショップ。噴水や図書館など、かつてのペルシャ文化を再現した空間も設けられている。
「世界の地下経済とつながっている」
この光景を見ると、この国が、核開発や軍備にとどまらない、高度な技術を有する経済国家であることが理解できる。しかも1979年の革命以来、約50年にわたって断続的に欧米の経済制裁を受け続けていることを考えれば、いよいよ容易ならざる国に見えてくる。中東経済専門家の中嶋猪久生(いくお)氏が言う。
「最高指導者直轄の宗教財団や革命防衛隊がイラン経済の大半を支配している。特に防衛隊はその工兵部門を分離・企業化させ、そこに復員兵を充てたことで巨大化。鉱工業、金融、自動車などあらゆる産業に及び、世界の地下経済とつながっているとみられています」
もちろん、その原資は石油に他ならないが、その石油も制裁下では容易に売ることはできない。
「制裁下においては取引国も制裁対象です。現在は主に中国だが、その中国ですらマレーシア沖で他のタンカーに積み替えて原産国を偽るくらいで、その分買いたたかれている」
ただ、それでもしたたかに繁栄を手に入れてきたイラン。米、イスラエル、そして世界を翻弄する存在なのである。
写真提供・駐日イラン大使館
「週刊新潮」2026年4月9日号 掲載
