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 阪神は30日、育成選手の福島圭音外野手(24)と支配下契約を結んだと発表した。契約金1000万円、年俸420万円(金額は推定)。背番号は、藤川球児監督(45)が02〜04年につけた「92」に決まった。50メートル走5秒8の快足が武器の韋駄天(いだてん)は、チームがDeNAとのホーム開幕戦(京セラドーム)に臨む、きょう31日に1軍に合流することが決定的だ。

 記者会見場の福島に喜びに浸る暇はない。23年の育成ドラフト2位で入団してから2年。ついに支配下へと昇格し、次のステージに目を向けた。

 「支配下になるまで時間はかかりましたし、やっとの思いでつかみ取った。ここからが勝負だと思っている」

 赤星、近本の系譜を継ぐ左打ちの俊足外野手に、早速チャンスが回ってきそうだ。この日、同じ外野手の浜田が出場選手登録を抹消されたことで、きょう31日のDeNAとのホーム開幕戦からの「支配下即1軍」が決定的となった。

 昨季は33盗塁でウエスタン・リーグのタイトルを獲得。今季はここまでファーム・リーグ8試合で打率・440(25打数11安打)と打力も向上し、入団以来の背番号「126」から2桁の「92」をつかみ取った。

 藤川監督には直接あいさつし、「ここからが勝負だぞ。戦うぞ」と激励の言葉をもらった。「(監督には)守備と足を求められていると思う。そこでしっかりと、自分らしいプレーをしていきたい」。新たに背負う「92」は、指揮官が現役時代の02〜04年につけた。名前の「きゅうじ」にちなんだもので、02年9月11日のヤクルト戦でプロ初勝利も手にした。縁の深い番号を背に、球児チルドレンが走りまくり、プロとしての第一歩を刻む。

 1年目に味わった悔しさをバネに成長してきた。24年の2月。紅白戦でアピールし、1軍キャンプに招集されたものの、もらった代走のチャンスでなかなか盗塁のスタートが切れずに2軍落ちした。「あれだけ注目してもらって、結果が出なかった。それがずっと苦しかったですね」と回想する。「腐りかけた時もあった」という時期を乗り越え、工藤2軍外野守備走塁コーチと二人三脚で守備、走塁を一から磨き直した。塁間のスピードや、投手の癖を盗む技術も上がった。「これがラストチャンス」と期して迎えた3年目、開幕直後に吉報が届いた。

 「変わるのは背番号と場所だけ。今までやってきたことを出していく。それは変わらないので」。最後まで淡々と語った福島。高ぶる思いは、1軍の舞台でグラウンドを駆け回ることで表現する。(松本 航亮)

 ≪福島 圭音(ふくしま けいん)≫

 ☆生まれ&サイズ&投打 2001年(平13)10月6日生まれ、埼玉県秩父市出身の24歳。1メートル71、69キロ。右投げ左打ち。

 ☆名前の由来 圭音(けいん)は母・真由美さんが大ファンのアクション俳優ケイン・コスギが由来。「覚えてもらいやすい。凄く気に入っています」

 ☆自然が育てた脚力 50メートル5秒8、白鴎大4年春に関甲新学生リーグ新記録の20盗塁を記録した快足の持ち主。そのルーツは地元の埼玉県秩父市の自然で、野生のシカやノウサギを追いかけて遊んでいるうちに脚力がアップした。

 ☆コミュ力の鬼 日本人選手のみならず、外国人選手にも積極的に話しかける。言葉は通じなくとも「フィーリングで。何となく分かるので」

 ☆モノマネ職人!? 近本らの打撃フォームを試していた時期も。「実際にまねてみて、自分なりに打ち方を考えることで発見がある。特徴を捉えるのはうまいと思う」