アボカドはなぜすぐに茶色くなってしまうのか?そのまま食べても問題ないのか?保存する時のコツは?

サラダやハンバーガーの具材などに使われるアボカドは栄養価が高く、脂肪分を豊富に含んでいることから「森のバター」とも呼ばれますが、切った後にしばらく放置するとすぐに茶色くなってしまいます。一体なぜアボカドはすぐに変色してしまうのか、変色してもそのまま食べて大丈夫なのか、アボカドの変色を防ぐ方法はあるのかといった疑問について、科学系メディアのLive Scienceが解説しています。
https://www.livescience.com/chemistry/why-do-avocados-turn-brown-so-quickly-and-are-they-ok-to-eat-at-that-point

◆なぜ切ったアボカドは変色してしまうのか?
切ったアボカドがすぐに変色してしまうのは、アボカドに含まれている「ポリフェノールオキシダーゼ(PRO)」という酵素が原因です。PROは、抗酸化作用と芳香性を持つ小分子群であるアボカドのフェノール性化合物を酸素と反応させる触媒の役割を果たします。アボカドを切ると、その断面でフェノール性化合物が酸化して色素化合物であるメラニンが生成され、アボカドの断面が褐色になってしまうというわけです。
一連の酸化プロセスによる変色は褐変とも呼ばれ、これに伴って果物の成分が分解されてしまいます。「森のバター」と呼ばれるアボカドには脂肪分が豊富に含まれており、それによってクリーミーな味わいが楽しめますが、褐変でフェノール性化合物が反応すると脂肪分が苦味を帯びてしまい、味わいが変化してしまうとのこと。しかし、多少表面が茶色くなっている程度であれば、アボカドを捨てる必要はありません。

◆変色したアボカドは食べられるのか?
レシピサイトのDelightfully Fueledを運営する管理栄養士のサラ・アルシング氏は、「アボカドでは露出した果肉だけが茶色に変わるので、その薄い層を取り除いて、その下の緑の部分を楽しむことができます」と語っています。
また、茶色の部分を含めてアボカドをつぶし、ワカモレなどにすることで苦味を隠すこともできます。しかし、カリフォルニア大学協同組合の亜熱帯作物アドバイザーを務めるマシュー・ファティーノ氏は、「あまりに長い期間、たとえば数日間放置すると、アボカドが酸っぱい味になってしまうことがあります」と指摘しており、変色したアボカドは早めに食べた方がいいそうです。

◆アボカドを長持ちさせる方法とは?
アボカドの変色を遅らせる方法として、「アボカドを半分残しておく場合、種を外さないでそのままにしておく」というアドバイスを聞いたことがある人も多いはず。これは、種に覆われた細胞の表面は酸素に触れず、フェノール性化合物との反応が進まないため、緑色の状態が保たれるからです。一方、アボカドをつぶしてしまった場合、酸素に触れる表面積が増えるため茶色になるスピードが速まるとのこと。しかし、種を外してしまったアボカドや調理済みのワカモレであっても、ラップで包んだり密閉容器に入れたりすることで酸素との接触を減らし、褐変を遅らせることが可能です。
アボカドを新鮮に保つもうひとつの方法が、酸性の食材や調味料を加えて酸性度を高めることです。たとえば、切ったアボカドやワカモレにレモンやライムの果汁を搾ることで、酸性度を高めて酸化を遅らせることができます。
◆アボカドに関するその他の知識
アボカドは茶色に変色するだけでなく、切る前から茶色の筋が入っていることもあります。アルシング氏は、「アボカドの繊維状の部分は維管束と呼ばれ、栄養分と水分を運んでアボカドの成長を助けます。この維管束は通常、未成熟の木のアボカドにしか見られません」と解説しています。
一般的に維管束があるアボカドは、熟期を過ぎても木に残されていたものだそうです。長らく木に付いたままのアボカドでは種子が発芽し始め、その成長のために維管束を通じた栄養供給が必要となり、結果として維管束が発達するというわけです。
また、環境ストレスもアボカドの保存期間に影響を及ぼす可能性があります。メキシコや中央アメリカ原産であるアボカドは霜や猛暑に弱く、わずか数度の温度低下でも芽や木にダメージが及び、翌年の収穫に悪影響が及ぶそうです。さらに、気温が高すぎると果実が木から落ちやすく、落下時に付いた傷から酸素が入り込んで酸化が早まる可能性があるとのこと。

最後にLive Scienceは、「アボカドをワカモレ用につぶす時も、トーストにスライスをのせる時も、そのままスプーンですくって食べる時も、少し茶色くなっている程度は気にしないでください。おいしい果肉を楽しみ、残ったアボカドは空気に触れさせないようにして、少量のかんきつ類の果汁を搾りましょう」とアドバイスしました。
