コーヒーや紅茶、ケーキに目を奪われがちだが、忘れちゃいけないご飯たち。ナポリタンにから揚げにカレー…憩い以外も揃えています、自慢の味。特にランチで活躍してくれる満腹喫茶店を集めてみました!

店主ファミリーの歴史と手作りの温もりが伝わる味『cafe香咲(かさ)』@外苑前

ホットケーキに添えるメープルシロップひとつ取っても自家製の誠実さ。腹ペコの時もくつろぎたい時も、ただいまと帰りたくなる安心の場所。「香咲=CASA」はラテン語で「家」を意味するそうだ。

もともと41年前に店主の岩根愛さん夫妻のお母様が始めた時はネルドリップのコーヒーの店だったが、趣味のお菓子作りが高じてケーキ類の提供が増え、海外で料理を学んだ愛さんの提案で食事系も次第に充実。

昨年改装して広くなった店は夫妻が手掛けたステンドグラスや天井画も加わり、空間から味まで岩根ファミリーの歴史と温かい世界観に満ちている。食事で人気はオーブンで焼くナポリタン。

焼きチーズナポリタン1617円、香咲ブレンド880円

『cafe香咲(かさ)』(手前)焼きチーズナポリタン 1617円 (奥)香咲ブレンド 880円 牛スジの旨みが溶け込んだ自家製トマトソースが特徴。ブレンドは深いコク

牛スジと煮込んだトマトソースのコクが特徴で、チーズの香ばしさもたまらない。ハフハフやれば心もあったか、やさしい気持ちに包まれる。

『cafe香咲(かさ)』(左)店主 岩根愛さん、(右)ジョナサン・ヒーバートさんご夫妻

店主:岩根愛さん、ジョナサン・ヒーバートさんご夫妻「看板犬まめちゃんも時々“出勤”しています」

『cafe香咲(かさ)』

[店名]『cafe香咲(かさ)』
[住所]東京都渋谷区神宮前3-41-1
[電話]03-3478-4281
[営業時間]11時半〜19時(18時半LO)※金・土は〜21時(20時半LO)
[休日]月(月が祝の場合は営で翌火休)
[交通]地下鉄銀座線外苑前駅A3出口から徒歩5分

愛情こもったランチにリピーターが続出!『Cafe BIANCO(ビアンコ)』@五反田

壁は真っ白、食器も真っ白。だから店名はビアンコ(イタリア語で白の意味)…で開店したはずなのに、時を経て、燻されて琥珀色に染まっているザ・喫茶店だ。

神戸生まれで高知で喫茶店をやっていた先代ママの「喫茶店はタバコとコーヒーと甘いもの」(そのおかげでチョコひとつがつく)という教えと、パパの「お米はいいのを使え」というブランド米仕様のこだわりを守る2代目店主・平山あきひさん。

「先代ママが家で出していたレシピ」の“おうちカレー”はトマトから酸味を引き出し、赤ワインでバランスを取った絶品。時に売り切れになる唐揚げは先代ママが作った生姜&ニンニクタレを遺し続け、今日も漬け込んでから揚げる。

鶏のから揚げランチ800円(コーヒーは+200円)

『Cafe BIANCO(ビアンコ)』鶏のから揚げランチ 800円(コーヒーは+200円) 添えられたキャベツが山盛りなことにも要注目

「昔のまんまの普通の喫茶店をやりたい」という思いで、味噌汁がつき、煮物の小付けがあるのも心が温まる。リピーターが多いのも頷ける。

『Cafe BIANCO(ビアンコ)』店主 平山あきひさん

店主:平山あきひさん「神戸と高知の喫茶の伝統をもとに五反田で38年目になります」

『Cafe BIANCO(ビアンコ)』喫煙OK店なのでゆっくりとくゆらせる客が多い

[店名]『Cafe BIANCO(ビアンコ)』
[住所]東京都品川区西五反田2-9-7ドルミ五反田アンメゾン1階
[電話]03-3494-1603
[営業時間]7時〜18時
[休日]土・日・祝
[交通]JR山手線ほか五反田駅西口から徒歩3分

読書をしながら頬張れる自家製ドライキーマ『喫茶PONY』@経堂

階段を上がって扉を開けるとさっきまでの駅前商店街の喧騒がフッと消えた。壁一面の巨大絵は登山好きで画家の店主・西宮順平さんが描いた八ヶ岳は白駒池の風景。そして図書室かと思うほどの1000冊の本。

「不思議な空間でしょ?商店街のど真ん中なのに隠れ家なんです」と店主が話すリラックスした一軒だ。カレー男子だった店主がメインに据えたのはキーマカレー

ドライキーマカレーセット(サラダドリンク付き)1280円

『喫茶PONY』ドライキーマカレーセット(サラダドリンク付き) 1280円 素朴な甘みは玉ねぎ、豆、にんじんから。ご飯とカレーの厚みはスプーンでひとすくいしたときに完璧なバランスになるように設計されている。ドレッシングは自家製にんじんソース

理由は「無理してお洒落にすると店も客も続かない。なので、片手でスクえて、目を閉じていても食べられることを重要視しました」。

肩の力が抜けた味はコクがあり、玉ねぎとアーモンドと豆の食感がしっかり楽しめ、辛さは卓上の特製スパイスを振りかけることで完成させる。ライスにもち麦を混ぜてあるのが“隠し味”で、毎日でも飽きない調和感が舌に心地よい一品だ。

『喫茶PONY』店主 (右)西宮順平さん、(左)恵美さんご夫妻

店主:西宮順平さん、恵美さんご夫妻「絵本をめくりながら午後のひとときをおくつろぎください」

『喫茶PONY』

[店名]『喫茶PONY』
[住所]東京都世田谷区経堂1-6-10木原ビル2階
[電話]03-6413-0672
[営業時間]10時半〜19時(木・金〜21時)
[休日]火・水、不定休あり
[交通]小田急線経堂駅から徒歩4分

香りと刺激が詰まった黒きカレーがクセになる!『喫茶金魚坂』@本郷三丁目

江戸時代から350年、本郷の地にあった金魚・錦鯉の卸問屋が昨年、その幕を閉じた。歴史の一部を残しておきたいと、卸売の傍ら営んでいた喫茶の店名と美味を移転先に継承したのがこちら『金魚坂』だ。

西京焼や豚角煮ととろろご飯も気になるが、まずは牛のネックを赤ワインでじっくり煮込んだ名物の「黒カレー」をぜひ!

金魚坂特製黒カレー(味噌汁、サラダ、漬物、飲み物付き)2000円

『喫茶金魚坂』金魚坂特製黒カレー(味噌汁、サラダ、漬物、飲み物付き) 2000円 市原さんが配合するクローブ、カルダモンなど30種近いスパイス&ハーブが旨みを引き立てる

フレンチのシェフが考案した艶ある黒いカレーを頬張れば牛の旨みにあふれコク深く、独自に配合したスパイスの複雑な香りと刺激が口中にじわり広がる、汗かく旨さなのだ。

そしてもうひとつ。コーヒー、紅茶に加え、中国茶も用意してあるのがうれしい。食事に付くのはホットなら金萱高山、アイスなら桂花観音。ともに香り豊かで、飲むたびに感じる旨さが、癒しに満ちた異世界へと案内してくれる。

『喫茶金魚坂』(右)巣山幸男さん、(左)市原めぐみさん

巣山幸男さん、市原めぐみさん「本郷の路地裏で美味と煙をゆったり楽しんで下さい」

『喫茶金魚坂』

[店名]『喫茶金魚坂』
[住所]東京都文京区本郷5-2-5
[電話]03-3815-7088
[営業時間]11時半〜21時(20時LO)
[休日]火
[交通]地下鉄丸の内線本郷三丁目駅2番出口から徒歩4分

撮影/西崎進也(香咲、喫茶PONY)、浅沼ノア(BIANCO、金魚坂)、取材/肥田木奈々(香咲)、輔老心(BIANCO、喫茶PONY)、編集部(金魚坂)

2025年3月号

おとなの週末2025年6月号は「満喫!ニッポンの生ビール

『おとなの週末』2025年6月号
『おとなの週末』2025年6月号はこちらから

※2025年3月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「喫茶店カレー4選!間違いなくハマるレトロ喫茶の王道メニュー」では、肩肘はらず、ふらっと立ち寄って味わいたい喫茶店の激旨カレーを実食レポートしています。