2025年2月7日に、アメリカ航空宇宙局(NASA)が職員に対し、「自己の性的指向や性自認に誇りを持つべき」という概念を現わす「LGBTQI+プライド」に関する衣類やステッカー、バッジなどをオフィスで使用しないよう命じたことが報じられています。この規定に違反した場合、該当の職員は強制的に休職させられるとのことです。

NASA HQ verbally orders employees to purge workspaces of LGBTQI+ symbols | Space

https://www.space.com/space-exploration/nasa-verbally-orders-employees-to-purge-workspaces-of-lgbtqi-symbols



You Must Hide Your Pride At NASA - NASA Watch

https://nasawatch.com/personnel-news/you-must-hide-your-pride-at-nasa/

2025年1月20日に就任したドナルド・トランプ大統領は、性別や人種の多様性を奨励するDEIプログラムを廃止する政策を打ち出しました。これにより、政府関係サイトからも関連する内容が削除されており、公平性や多様性という言葉が削除あるいは修正されていることが報じられています。

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これを受けNASAは職員に対し、ウェブサイトからDEIAプログラム(多様性・公平性・包括性・アクセシビリティ)、マイノリティ支援、先住民への言及、環境正義、マイノリティ、女性リーダーシップなどの削除を行うように指示。一連のNASA職員への指示は「すべての業務を中断して優先的に対応する要請」として伝えられているそうです。

NASAがウェブサイトから「女性のリーダーシップ」や「多様性」に関する内容を削除するように命じられる - GIGAZINE



さらにNASAは職員に対し、LGBTQI+プライドを示す虹色の旗やバッジ、衣類、ステッカーなどを使用しないことを指示しています。この指示にはMicrosoft Teamsで使用するバーチャル背景も含まれています。



NASAの関係者によると、この指示は書面ではなく口頭で伝達されたとのことで、このガイダンスに違反した場合、強制的に休職させられるなどの罰則があります。

一連のNASAの行動に対し、アメリカ下院宇宙航空委員会のゾーイ・ロフグレン氏ならびにヴァレリー・フーシー氏は「NASA職員の言論の自由と人間性に対する直接的な攻撃で、ばかげた越権行為です。この政府公認の検閲は、連邦職員の権利に対する攻撃で、放置すべきではありません」と批判しました。