2023年3月に茨城県水戸市で行われた納豆早食いの世界一大会に、おとなの週末編集部員が挑戦! 女性予選を終え、いよいよ男性予選。果たして、優勝することができるのだろうか。運命の後編、刮目せよ!

男性予選スタート! 凄まじい勢いで食べる姿に震える

瓶の牛乳は3秒。吉野家の並なら2分弱。あと、ラーメンを5口っていうのもあったはず。

過去の早食いの記憶を思い出しながら、「だから、納豆ご飯だってイケるはず」と、私(編集・武内)は自身を鼓舞させる。

私の番号は155。イケイケゴーゴーの略だと勝手に妄想
予選の激闘を多くの人が見守る。地元の出場者には大きな声援も

予選男子の部。10人ひと組となって進められるのだが、与えられた番号が155の私の出番はもう少し先だ。そこでみんながどんな食べ方で、どれくらいの速さなのかをチェックしてみたのだが……、

合図とともに丼を持ち上げ、そのまま勢いよく口の中にかき込むべし、かき込むべし、かき込むべし! 時折、水で流し込むべし! さながらリスのように頬を膨らませ、ご飯を食べ進む男子出場者たち。

男子予選のひとコマ。女子に比べてかなり激しくご飯をかき込む

その武士(もののふ)ぶりは女子の比ではない。ご飯が溢れようが、口から溢れようが一心不乱に食べ進む。時計を見ると、早い人で1分少々。あのぉ、ちょっと速すぎやしませんか? 予選突破のための作戦を考えてきてはいるのだが、彼らの勢いに負けないように過去の小さな栄光を引っ張り出した次第なのである。

見掛け倒しのコスプレではなく、実力も兼ね備えていました
議員も参戦しておりました。勝っておりました!

そして男子予選最終組。いよいよ私の出番が回ってきた。呼ばれるままにテーブルに着いたのはいいが、少し体が震えている。多くの人前で食べることへの緊張感か、はたまたこれからの勝負に対する武者震いか。ま、両方なんだけど。

私のタイムを計測してくれる、笑顔のかわいい「水戸の梅大使」に「よろしくお願いします」の会釈をしていると、310gのご飯&90gの納豆が入った丼が運ばれてきた。しっかりとした粒白く輝くご飯と、ほどよく練られ光沢感ある納豆は見るからにおいしそう。胃袋が早く詰め込んでくれと催促を始める。朝ご飯を抜いてきて正解だ。

すると間もなく、スタートの合図がなされた。

イケイケゴーゴーでいざ出陣! 作戦はきれいに食べる

決めていたことがある。決してかき込まずきれいに食べるべしだ。

そのための作戦として、丼内の納豆ご飯をまずは6等分する。それを下から救って口に運ぶ。数度咀嚼する。さすれば何度も箸で運ぶことなく6度の往復ですむ。

まあ少しご飯が多い気もするが、納豆はさして噛まなくてもいいし、納豆の粘りがご飯に絡みつき、潤滑油的に作用して、ツルリと喉をすぎていくはず。ひと塊に10秒かけても60秒。予選突破には少し急げば十分だ。

なのに、なぜ、みなさんはかき込むんだい? 

スタートして約0.8秒で上記を再確認し、いざ!

ガツガツかき込まないように、綺麗に食べることを心がけてみたのだが……

納豆ご飯を6等分し、さっそく最初のひと塊を口に運ぶ。

……あれ……これ……ん?……想定外の事実発覚!

だるま納豆もご飯も少し硬めなのだ。これじゃ、ある程度咀嚼しないと飲み込めないじゃないか! しかも納豆とご飯を一緒に口に運んでいるつもりが、納豆多め&ご飯少なめになっていて、丼に想像以上にご飯が残っている!

すくう&噛む噛む噛む噛むごくり飲み込むを6度の予定が、すくう&噛む噛む噛む噛む噛む噛む、ふぅ少しだけ休む&噛む噛むごくり飲み込む。ぬおぉ、予想外に時間がかかっているではないか! と、歓声があがると同時に「おっとぉ、ひとり食べ終わりました! 早い!」の声。

マジか︎ そして1分経過ですのアナウンス。マジなのか︎ 私の丼の中にはまだ3分の1程度残っているのに。このままでは予選敗退だ。あぁぁかき込みたい。でも、綺麗に食べられない。水で流し込みたい。でも水を取る、戻す作業で時間のロスになる! 焦るばかりでご飯が減らない。 

それでも噛む回数を少なくし、無理してごくっと飲み込み、残りを胃に収めていく。

果たして……最後のひと塊を口に放り込み、丼の中を確認する。ご飯なし、納豆なし。よしっ! バッと手をあげる。振り返れば、背後でタイムを計ってくれていた「水戸梅の大使」の女性もにっこりと笑顔だ。

なんとか食べ切ったものの……

思えばウルトラマンだって仮面ライダーだって、ヒーローたちは最初負けていても、最後に盛り返して勝利を収めるのがセオリーである。手に汗握らせるような見せ場を作るってやつですな。ふふふ。しかし、徹夜で作業をして水戸に来ることで疲労困憊気味ではあるが、私はヒーローなんかじゃないんです……。ただのおじさんなんです。

あぁ、それにしても陽光に煌めく千波湖が眩しいなあ。

1分43秒56……予選で綺麗に散ってしまいました。

男子予選の後、女子決勝が。そしてその後で男子決勝が行われました。

女子決勝の様子
男子決勝の様子

結局、この同じ組で1位だった方が、決勝では藁で包まれた納豆5パックを、30秒を切る速さできれいに食べ切り優勝したのでした。おめでとうございます。

男子・女子、それぞれ上位3位までの猛者たち!

さて、反省点はいくつもある。

最初に納豆とご飯を軽くかき混ぜて、全体に粘りをつけることでのど越しをよくする。

綺麗に“かき込む”。

途中で水分を取り、口の中を湿らせる。

何より、事前に何度も練習をする!(牛乳の早飲みなんてなんの参考にもならなかった)

そりゃあ、ノー練習じゃだめだよね。

しかしである。予選で負けてしまったとはいえ、私の健闘は先のWBCで予選敗退となってしまったものの、その戦いぶりで大会を沸かせたチェコ代表みたいなもの……とは全然違うな。

とはいえ、総人口80億近い全人類の中で、私は世界ランク40位くらいの実力を持つ、世界ランカーなのだ。大いに胸を張って帰京することにした。

あぁぁ、悔しい。来年も出る。絶対に出てやるっ!

撮影/谷内啓樹 取材・文/武内慎司(編集部)