マルティニ VS ガルフカラー! 歴代ポルシェが英国ハンプトンコート宮殿に集結
マルティニ vs ガルフ、どっちがカッコいい?
2012年から英国で開催されている「Concours of Elegance(コンクール・オブ・エレガンス)」は、毎回メインテーマを設定し、それに沿ったクルマを展示するほか、希少なモデルや最高級コーチビルドカーなど、数多くの特別企画や展示などで、約1000台の車両が集まる世界でも指折りのコンクールである。
第1回は英国のエリザベス2世女王陛下の即位60年の節目のダイヤモンド・ジュビリーを記念して、居城であるウィンザー城内で開催され、2013年にはセント・ジェームズ王宮、2014年にはハンプトン・コート宮殿、2015年にはホリールードハウス宮殿で開催された経緯がある。

●マルティニカラーを纏った伝説的レーシングカー
2021年9月3日から5日にかけて開催される会場は、ハンプトン・コート宮殿が予定されている。女王陛下の95歳の誕生日を祝うために集められた95台の英国車コレクションや、次世代のクラシックカー愛好者にインスピレーションを与えることを目的とした「30UNDER30コンクール」など、さまざまなイベントが企画されるなか、メインテーマとして設定されたのは「RIVALRIES GULF VS. MARTINI - THE BATTLE OF THE LIVERIES(ライバル ガルフvsマルティニ リビエラの戦い)」である。
そのテーマに沿って集められたマシンを紹介していこう。
ガルフオイルは、ポルシェだけでなくフォードのレーシングマシンを彩っていたことでも記憶されている。
1966年、当時のガルフオイル副社長であったグラディ・デイビス氏がフォード「GT40」を購入し、フォードレーシングチームのマネージャーであったジョン・ワイヤー氏と知り合ったことから、フォードとガルフオイルのパートナーシップは始まっている。
マルティニ・レーシングは、イタリアのマルティニ&ロッシ社が1958年、レースのスポンサーとなって生まれたものだ。ガルフのブルーとオレンジのカラーや、マルティニのダークブルーとライトブルー、そしてレッドという3色のストライプは、ともにひと目でそれとわかるものとなっている。
マルティニのクルマでまず紹介したいのが、1973年のタルガ・フローリオで優勝したポルシェ「911カレラRSRプロトタイプ」である。このマシンはグループ4仕様車だったのだが、後のレギュレーション変更によってグループ5仕様にマイナーチェンジされ活躍をしている。その後、1973年当時の姿にレストアされ、現在に至っている。
また、1974年後期型ポルシェ「911カレラRSRターボ」も展示される予定だ。ライバルが搭載していた3リッターNAエンジンに対し、2.1リッターターボエンジンで挑み、1974年のル・マン24時間レースで総合2位を獲得したのが、この個体である。
さらに、1977年、ジャッキー・イクス選手のドライブによってル・マン24時間レースで優勝したポルシェ「936」が、当時のカラーリングにレストアされ、この会場でデビューする予定となっている。
ガルフカラーといえば、ポルシェでしょう!
ガルフオイルのカラーリングに彩られたマシンとしては、5リッターフラット12エンジンを搭載した、1970年型ポルシェ「917K」が展示される。ジミー・シファートとデレク・ベルがセブリング24時間レースで、ハーバート・ミュラーがル・マン24時間で2位を獲得したマシンがこれである。

●ガルフカラーといえばポルシェ!
さらに、1971年型ポルシェ「908/3」にも注目をしておきたい。わずか12kgしかないFRP製ボディを搭載したこのスパイダーは、車両重量545kgというミッドシップマシンだ。
車体の軽さを利用してニュルブルクリンクやタルガ・フローリオなどのワインディングコースで速さを見せつけていた。同じ1971年、ポルシェは「917K」でル・マン24時間レースのコースレコードを樹立。総走行距離5336.16kmを、平均時速222.30km/hで駆け抜けたのだった(ちなみにこのときの917Kは、マルティにカラーだった)。
もう1台の展示車は、1975年製「ガルフミラージュGR8」である。V型8気筒のフォードDFVエンジンを搭載したこのマシンは、ジャッキー・イクスとデレク・ベルのドライブによって、ル・マン24時間レースで優勝を果たしている。この個体、GR8/802は、その後3度ル・マン24時間レースに参戦し、コレクションとなってからはガルフカラーに戻され、現在に至っている。
このようなレーシングマシンのほか、ガルフカラーのメルセデス・ベンツ製トランスポーターも展示される。その個体は、1971年にGULF-JWオートモーティブチームのトランスポーターとして使われたのち、マルティニやエセックス、ロスマンズのカラーを身にまとって、各チームのトランスポーターとして、ポルシェ「962」の時代まで使われていた。
しかし、実はその歴史は、カラーリングをガルフカラーに戻すまで知られていなかったという。というのも、塗装をガルフカラーへと戻そうと作業を始めてみると、古い塗装の下にさまざまなカラーリングが施されていることがわかり、ひとつひとつ塗装を剥がしていった結果、このような歴史が明らかとなったのだ。会場にはマルティニ・リバイバルのメルセデス・ベンツ製トランスポーターも展示される予定だ。
そんな内容の濃いイベントの入場料は、プレミアデイである2021年9月3日金曜日以外は、45ポンド(約6800円)。入場料やカタログ、シャンパンレセプション付きの3コースプレートランチ、ワイン、アフタヌーンティー付きホスピタリティパッケージでも、288ポンド(約4万3000円)となっている。
憧れのクルマ、その実物を見ることができる料金としては、格安といっていいだろう。日本からこのイベントに行く場合には、英国で10日間隔離され、帰国後にまた隔離されるため、実質ひと月ほどの時間が必要となってしまう。COVID-19による措置がなければ、と、残念でならない。
