地域独自の決済サービスを導入できる地域ペイのイメージ(図:凸版印刷の発表資料より)

 凸版印刷(東京都千代田区)は22日、地域独自の電子マネーやクーポン券など決済サービスをまとめてデジタル化する決済プラットフォーム「地域Pay(ちいきペイ)」の提供を開始すると発表した。地域住民は、カードやスマートフォンアプリを使って各種決済サービスを使えるようになり、同社は「地域の実情や特徴に合わせたサービスを展開できる」としている。

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 地域ペイは、同社と富士通エフ・アイ・ピー(東京都港区)が共同で運用する、電子マネーやギフトカードなどの残高管理システムを活用。地域マネーや商店街ポイント、電子商品券をまとめて運用することが可能で、簡単に地域のキャッシュレス化を実現できるとしている。

 具体的には、地域内の商店だけで使えるプリペイド式の電子マネーが導入できるほか、商店街で付与する買い物ポイントをデジタル化し、QRコードでポイントを貯めたり使ったりできるようになる。また商品券をデジタル化することで、利用時の回収や集計の業務を軽減。利用状況をすぐにデータ化できる。

 このほか、地域の観光施設とタイアップした入場パス付きプリペイドカードの発行も可能で、観光客らの商店街への呼び込みも期待できるという。

 日本は、中国や韓国、欧米諸国に比べキャッシュレス化が遅れているといわれ、国も2025年のキャッシュレス決済比率40%という目標を掲げて、キャッシュレス決済の普及に取り組んでいる。これを受け、量販店やコンビニエンスストアなどでも積極的に電子マネーやQRコード決済への対応を進めている。しかし地域の商店街や中小の商店では、決済端末の費用や手数料といったコストが負担となることから導入が進んでいない。

 凸版印刷では、そうした課題を解決し地域でのキャッシュレス化を進めるため、地域ペイの導入を働きかけていくとしており、価格も導入当初は運用コストを抑えて提供する。「地域のキャッシュレス化を推進することで消費の活性化を図るとともに、運用業務の低減や観光客誘致など地域の課題を解決するサポートもしていきたい」としている。

 同社は今後も地域ペイなどキャッシュレス関連サービスに取り組み、2020年に売上50億円達成を目指すという。