今夏のバイエルン退団が決定しているロッベン。新天地はどこへ?(C)Getty Images

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 昨年12月にインテルのスポーツ部門CEOとなったジュゼッペ・マロッタは、ユベントスに黄金時代をもたらした敏腕ディレクターだ。
 
 ゴンサロ・イグアインやミラレム・ピャニッチなどへの巨額投資よりも際立っていたのが、いわゆる「移籍金ゼロ補強」。所属先と契約満了を迎えフリーで獲得できる実力者に接近して合意を引き出す手腕はまさに天下一品で、アンドレア・ピルロ、ポール・ポグバ、フェルナンド・ジョレンテ、サミ・ケディラ、ダニエウ・アウベス、エムレ・ジャンなどとの契約に漕ぎ着けていた。
 
 新天地インテルでもその手腕は健在なようだ。現地時間1月4日の『スカイ・スポーツ』によると、今年6月にアトレティコ・マドリーと契約満了を迎えるウルグアイ代表CBのディエゴ・ゴディンと基本合意。ミラン、ユベントス、マンチェスター・Uなどとの争奪戦を制し、来シーズンから2年契約を結ぶという。
 
 契約満了まで半年を切った選手は、現所属クラブに断りなく新たなクラブと事前契約を結べる。それゆえこの1〜2月は「フリートランスファー市場」の重要な局面であり、マロッタCEO率いるインテルはさらなるフリー選手に接近する腹積もりのようだ。
 
 現地時間1月6日の『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙によれば、現在の候補は4人。マンチェスター・UのDFマッティア・ダルミアンとDFアントニオ・バレンシア、ポルトのMFエクトル・エレーラ、そしてバイエルンのFWアリエン・ロッベンだという。
 
 とりわけ注目はやはりロッベンだろう。今シーズン限りでのバイエルン退団を表明済みのウイングには、古巣のフローニンヘンやPSVが興味を示し、さらにJリーグ行きの噂も流れているが、インテルの補強リストにも名を連ねているようだ。
 
 切れ味鋭いドリブルは衰え知らずのロッベンだが、今月1月23日に35歳を迎え、さらにもともと深刻な故障癖を抱える。それゆえガゼッタ紙は、「怪我の歴史が豊富で、しかも35歳になるが、それでも魅力的な選択肢だ。年間30試合は期待できないが、15試合では違いを作れるだろう。かつてのルイス・フィーゴのように、その豊富な経験は若手の刺激にもなる」と綴っている。
 
 ガゼッタ紙が挙げたフィーゴは、ロッベンと同じ往年の名ウイングで、33歳だった2005年にR・マドリーからそれこそ移籍金ゼロでインテルに加入。4シーズンに渡ってピッチ内外で貴重な働きを見せていた。
 
 インテルの右ウイングは現在、マッテオ・ポリターノが絶対的な地位を築いているが、控えのアントニオ・カンドレーバが早ければ冬にも退団直訴の構えで、左右兼用のケイタ・バルデ・ディアオもモナコからレンタル中ゆえ夏は去就が不透明。ロッベンを移籍金ゼロで獲得できれば大きな補強となる。
 
 はたしてマロッタCEOは、ゴディンに続いてロッベンも迎え入れるのか。注目が集まる。