レスターが起こした“反革命”…覆された現代サッカーにおける6つの常識

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 日本代表FW岡崎慎司が所属するレスターは、世界最高峰のリーグの一つであるプレミアリーグを制覇したことで近年のサッカー界で常識とされていた6つの神話を覆したようだ。イギリスメディア『スカイスポーツ』が5日付で報じている。

 わずか一年前まで降格の危機にあったレスターは今シーズン、開幕前に5000倍と予想されていたオッズのプレミアリーグ優勝を果たしている。クラウディオ・ラニエリ監督が率いる伝説のチームは、これまでプレミアリーグで優勝するために不可欠とされていた以下の6つの“常識”を引っくり返したようだ。

1.「優勝するためには巨額の補強費を投資しなければならない」

 プレミアリーグが1992年に創立されて以来、潤沢な補強資金を抱えたビッグクラブのみが優勝の栄冠を勝ち取ってきた。それは1994−95シーズンに優勝したブラックバーンも例外ではない。しかし、今シーズン優勝したレスターの先発11人の移籍金の合計はわずか2300万ポンド(約35億5000万円)であり、この数字は昨夏の移籍市場でマンチェスター・Cが投じた移籍金のわずか8分の1だ。人件費の総額も2750万ポンド(約42億5000万円)で下から3番目であるレスターがプレアミリーグを制したことで、「タイトルを取るのには金は必要ではない」ことが証明された。

2.「タイトル獲得には優勝経験のある選手が必要」

 レスターの英雄たちは、これまで優勝経験がない選手たちばかりでもリーグ優勝が可能であることを示した。主将を務めるジャマイカ代表DFウェズ・モーガン、イングランド代表MFドリンクウォーター、イングランド代表FWジェイミー・ヴァーディの3人はレスターでチャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)を制した経験があるものの、他のほとんどの選手に優勝経験はない。レスターの先発11人のうち、プレミアリーグで優勝した経験を持つ選手は元ドイツ代表DFロベルト・フートのみである。

3.「ローテーションが鍵になる」

 かつてマンチェスター・Uを率いたアレックス・ファーガソン氏は、先発する選手たちを定期的に入れ替えるローテーションという起用法を称賛していた。チェルシー時代には「ティンカーマン(いじり屋)」と呼ばれていたラニエリ監督もローテーションを頻用していた過去があるが、今シーズン後半のラニエリ監督は先発をほぼ固定して戦っている。

 先発した選手の合計人数はアーセナルが23人、マンチェスター・Cが22人、トッテナムが20人であるのに対し、レスターは18人である。スタメンを前の試合から変更した人数をシーズンを通して総計すると、これまでのプレミアリーグ王者の平均が95.4回であるのに対し、レスターはわずか27回しか変更していない。同じメンバーでシーズンを通して戦うことによって選手同士の連携が熟成したことが、今シーズンのレスターの躍進につながったと見ることができる。

4.「トップ4に入るチームはほぼ固定されている」

 近年のプレミアリーグでは、チャンピオンズリーグ出場権内であるトップ4に入る力を持っているチームは限られていると考えられてきた。それはマンチェスター・C、マンチェスター・U、チェルシー、アーセナル、リヴァプールの5チームだ。中堅のエヴァートンとトッテナムもトップ4に入る可能性が指摘されてきたが、その可能性はわずかであると予想されてきた。

 昨シーズンは14位で降格の危機にあったレスターが優勝を果たしたことで、弱小クラブがビッグクラブを押し退けてプレミアリーグを優勝することが可能であることが証明された。

5.「4−4−2は終わった」

 レスターは時代遅れと見られていた「4−4−2」というフォーメンションで、プレミア優勝をやり遂げた。現代サッカーではワントップの下に3人のアタッカーが位置する「4−2−3−1」が主流である。