bridal

写真拡大


高校1年の15歳から20種類のバイトを渡り歩いた、私こと牧村朝子がお送りする体当たりなバイト体験談。今回は「結婚式場(ブライダルスタッフ)」のバイトについて、リアルな体験談をお送りします!
■もくじ■
・何をするの? どうすればなれるの?
結婚式場のブライダルスタッフバイト体験談
・まとめ〜ここが良い、こんな人が向いてる!

●何をするの? どうすればなれるの?


一生モノの晴れ舞台、結婚式。いわゆる“ブライダル業界”の求人は、ほとんどが社員としての募集で、タウンワークでも「ブライダルコーディネーター」「ブライダルプランナー」などの項目から探すことができます。

でも、アルバイトとしての募集をお探しの方もきっといらっしゃいますよね。

そういう時は裏ワザとして、タウンワークの「配膳」の項目から、配膳スタッフ事務所に登録するといいですよ。

私の場合は「結婚式披露宴でお料理を運ぶお仕事」がほとんどでしたが、半年ほど経験を積んだ頃、忘れられないお仕事を紹介してもらいました。花嫁さんの一日に付き添う、「花嫁介添え人」です。

注意※お仕事内容は会社によって異なります。応募時に確認しましょう。
関連記事:Q.バイト内容があいまいでよくわからない。わかるまで聞き返してもいいの?

結婚式場のブライダルスタッフバイト体験談


「今日はシルバーのマキカタについてです」
「!?」

結婚式場バイトの研修で、まず私が思ったのはこれでした。

「に、日本語がわからない」

どんなお仕事にも専門用語はあるものですが、特に結婚式場で使われる言葉づかいは特殊です。ちなみに冒頭の言葉は、こういう意味です。

「シルバー」=フォークやスプーンなどの銀食器
「マキカタ」=「まき方」。業界用語で、フォークやスプーンを並べることを「まく」と言う。

こういった配膳(お客様にお食事をお出しすること)のための専門用語に加え、結婚式には、縁起が悪いとして避けられる「忌み言葉」というものもあります。

たとえば、以下のような言葉です。

「離れる」=離婚を連想させるのでNG。「中座する」などに言いかえる
「切る」=縁が切れることを連想させるのでNG。「ナイフを入れる」などに言いかえる


まあ、こんなこと気にしない人も、最近では少なくないんですけれど……。とにかくお仕事として行く以上は、ちゃんと覚えないといけません。自分の家族や友達の結婚式でも、役に立つ知識かもしれないですしね。

ということでがんばって研修に通い、配膳のアルバイトにはげみました。自分が運ぶキャビアや大トロのお寿司を自分は食べられないということに耐えたり、酔っぱらってグラスを割ったお父さんに新婦がブチギレてるところをささっとお掃除したりしながら。

そんなある日、バイト先からこんなメールをもらいました。

●「介添え人募集」

この件名を見て、またもや日本語がわからなかった私はこう思いました。

「介護!?」

なんで突然介護のバイトが来るんだろう、と思いながらメールを読んでみると、お仕事内容は介護じゃなくてこういうことでした。

・新婦に常に付き添い、お手伝いをする
・新婦が外を歩くときにドレスの裾を持って、汚れないようにする
・式場内で迷わないよう、ご案内をする
・その他、「のどが渇いた」「お手洗いに行きたい」などあらゆる細かいご要望にお応えする


つまりは、新婦さんが丸一日なにごともなく過ごせるようお手伝いするお仕事というわけです。

新婦さんは慣れないウェディングドレスにハイヒールを履き、しかもとても緊張していらっしゃいます。そういう中でドレスの裾を踏んで転んでしまったりしたら、せっかくの結婚式が台無し(あとで思い出になったりはするかもしれませんが)。

つまり、絶対にコケてはいけない8時間(準備含め)というわけです。やや緊張しつつ、私はそのお仕事を受けることにしました。

すると、思いがけないことが起こったのです。

●いざお会いした新婦さんは、なんと……

「失礼いたします」

ごあいさつのために控室に入ると、そこには真っ白なドレスに身を包んだ新婦さんの後ろ姿が。ゆっくりこちらを振り向く、その新婦さんのおなかは……


(り、臨月やないか!!!!!!)

今にも産まれそうなくらい、まんまるふっくらしたおなか。そりゃそうですよね、妊娠中に結婚式を挙げる人だっていますよね。

新婦さんは大事そうにお腹をなでながら、優しい顔でこう言いました。

「朝からこの子も大人しくて……緊張してるのかな?」

私は新婦さんのドレスの裾をお持ちすると、ゆっくり式場へご案内しました。

みんなからの「おめでとう!」が、お腹の中の赤ちゃんにも聞こえているのかなぁ、なんて想像しながら。

●マナーが身につくアルバイト、なにより嬉しいのは…


結婚式場のアルバイトは、日常生活とは違う空間でのことなので、覚えることがたくさんあります。

特に花嫁介添え人のお仕事は、出勤ごとに当日のスケジュール(式次第)を頭に入れなければなりませんし、いつでも頭がフル回転でした。

ただそのぶん、しっかりしたマナーも身につくので、「結婚式場でアルバイトしていました」と言うと大体の接客アルバイトで採用してもらえるようになりましたけれどね。


なにより、誰かにとっての一生モノの日をお手伝いさせていただけるのはとてもうれしいことです。

結婚式のあと、わざわざ私の手をとって、ちょっと涙ぐみながら「ありがとう」を言ってくださった新婦さんもいました。

そのためにならがんばれる! という方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
■まとめ■
こんな人が向いてる!
・パーティやイベントが好きな人
・ブライダル業界に興味があり、勉強したいと思う人
・よく気が利いて、新婦さんが妊娠中など色々なケースに柔軟な対応ができる人

ここがメリット!
・食事や冠婚葬祭のマナーに詳しくなれる!
・華やかなお祝いの席で、なんだか自分まで楽しくなれる!

※この記事はタウンワークマガジンとガジェット通信で共同制作しました。

文・写真モデル:牧村朝子 撮影(メイン写真):TAKU 企画:ガジェット通信