新日本プロレス・棚橋弘至社長が震えた「当時の借入金は20億円」。菅林会長の言葉が教えてくれた“大きな夢”の意味
新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、プロレスラーを引退したばかりの第11代社長(’23年12月就任)棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は「社長の夢」について。棚橋社長はいったいどんな結論に至ったのか。(以下、棚橋弘至氏の寄稿)
◆vol.70 棚橋社長が震えた、新日本プロレス会長の社長時代の夢
仕事をしていると、ミスがあったり、大事な案件を進められていなかったり、会議中にプロテインを飲みたくなったり……。
我ながら「至らないな」と感じることがあります。
社長就任3年目になり、仕事のルーティンは掴めてきました(ようやく)。
ただ、その仕事の内容は、会議の司会進行や、案件の確認・承諾など、「どうしても僕じゃなきゃダメかな?」と、思ってしまうこともあります。
いや、僕じゃなきゃダメなんですけどね、実際(笑)。
もちろん、そこに「やりがい」を感じますし、「感謝」もあります。
けれど、そこに満足することなく、進化し続けなくてはいけませんよね。
なぜ、このタイミングで僕が社長になったのか?
その意味を、しっかり理解し、誇張し、大げさに、かつ大胆に、ド派手にやる!
そうしてこそ、棚橋弘至が「任された」意味があるってことじゃないか……!と思うわけです。
「任される」というより「託された」ってほうのニュアンスが合ってるかな。フフフ。
【任す】仕事や責任を他人にゆだねること。または相手の自由にさせることを意味する表現。
【託す】自分の物、思い、願いなどを他人に預けること。自身の意思や希望を託すといった精神的な意味にも使われます。
辞書で調べてみても、細かい違いがわからない(笑)。とにかく、「大きな夢を預かった」んだと思っています。
では、社長としての大きな夢とは何でしょうか?
新日本プロレスを大きくすること?
楽しんでいただくこと?
プロレスを広めること?
どれも正解ですね。そのためには、もっともっと頑張らないと!
僕の社長席の横には、’07年から’13年まで代表取締役社長を務めた経験もある菅林直樹会長がいらっしゃるので、当時の菅林社長の夢は何だったのかを聞いてみました。
すると、会長は淡々と語り始めたのでした。
「タナ君、それは借金を返すことだよ」
当時の決算書を見ながら、慣れた手つきで会長は電卓を打ちます。みるみる額が増え続ける……。
ゼロが増え続け、16億まで来たところで、恐る恐る聞いてみました。
「会長、その金額は……」
「これは、当時の借入金だよ。20億くらいあったんじゃないかな」
今はとても恵まれています。
会社の体制も整い、有望な選手もたくさんいる。この状況には、感謝しかないじゃないか……。
「至らない」なんて言ってられない。
全力で頑張っていこう。
感謝の気持ちを忘れずに。大きな夢に至るまでは。
◆今週のオレ社訓 〜This Week’s LESSON〜
現状に満足せず「大きな夢」を全力で追い続ける!
<文/棚橋弘至 写真/©新日本プロレス>
―[新日本プロレス社長・棚橋弘至のビジネス奮闘記〜トップロープより愛をこめて]―
【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)。’26年1月4日を以て現役を引退。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」
