USTRのグリア代表=ロイター

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 【ニューヨーク=木瀬武】米国のトランプ政権は8日、世界各国・地域に課している一律10%の「代替関税」を違法とした米国際貿易裁判所の判決を不服として、米連邦巡回区控訴裁判所に控訴した。

 国際貿易裁は7日、代替関税は法的根拠を欠くと指摘し、原告企業などに対する関税徴収を停止するよう命じていた。

 米通商代表部(USTR)のグリア代表は8日、米FOXビジネスのインタビューで、国際貿易裁の判決は法解釈に誤りがあると批判し、「控訴審では我々が勝つと確信している」と述べた。

 トランプ政権が根拠とする通商法122条は、国際収支の赤字に対応する手段として、大統領に150日間限定で最大15%の関税を発動する権限を認めている。しかし、判決は、政権が理由に挙げた巨額の貿易赤字や経常赤字は発動要件に該当しないと判断し、政権側の主張を退けた。

 控訴裁での審理は数か月以上かかるとみられ、連邦最高裁までもつれる可能性もある。トランプ政権は最高裁が2月に「相互関税」などを違法と判断したことを受け、通商法301条に基づく新たな関税を発動する方針で、不公正な貿易慣行が疑われる国・地域を調査している。