(撮影:浅井佳代子)

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2025年上半期(1月〜6月)に配信したものから、改めて読み返してほしい「ベスト記事」を選びました。(初公開日:2025年3月21日)******現在発売中の『婦人公論』2025年4月号の表紙は、歌手・女優の中尾ミエさん。スケジュール帳を埋めてそれを眺めるのが趣味だという中尾さん。今年に入り、あるものに「デビュー」したそうで――。発売中の本誌から、特別に記事を先行公開いたします。(撮影:浅井佳代子 構成:内山靖子)

【写真】裸足にサンダル、ジーンズを軽やかに着こなして

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電車デビュー

1年前に喜寿を記念したライブを終えたと思ったら、来年はもう80歳。この年齢になると、毎日が本当に貴重です。

私はスケジュール帳を埋めてそれを眺めるのが趣味だから、少しも時間を無駄にしたくないの。新しいことにも積極的にトライしています。

そうそう、今年に入って《電車デビュー》しました。もともと運転が得意ではなかったので、少し前に車を手放したんです。

それで、一人になっても生きていけるようにと電車に乗ってみたら、ものすごく便利じゃない。「乗り換えが大変よ」って言われたけれど、今まで1回も失敗していません。

交通系ICカードのチャージもスムーズにできましたし、車だと行きにくかったところにも気楽に行けて嬉しい。世界が広がりました。

誰かが家にいることで

50年以上のつきあいになるパートナーと、数年前から一緒に暮らしています。

人と生活していると、三食きちんと食べなきゃ、と思うじゃない。誰かが家にいることで、生活にメリハリがつく。それって大きいことだと思うの。

正直な話、男性と同居するのは面倒くさいこともありますけれど。

この年齢になったら、パートナーに対しても友だちに対しても、自分をよく見せようなんて気はありません。

仕事の現場で出会う若い人たちに、「うるさいおばあさん」だと嫌われてもかまわない。


『婦人公論』4月号の表紙に登場した中尾ミエさん

時間は有限だからこそ

だって、丸くなったらつまらないでしょ。やっぱり、ほどほどのトゲがないとね。それが自分の個性であり、武器だから。

若い頃、事務所の人に「もっと丸くなれ」と言われて努力したこともあったけれど、自分がつまらなくなっちゃって。そのときに、自分の個性を押し殺すのではなく、いざというときに使える武器として隠しておけばいいと学んだの。

まあ、この歳なら何を言っても許されるから、ありがたいわね。

来年は、80歳を記念してコンサートを開こうかと考えています。それが実現したら、次は8年後の米寿ね。

時間は有限だからこそ、先々の目標を見つけながら、残りの人生を楽しもうと思っています。