京阪電鉄「響け!ユーフォニアム」のラッピング電車が“アニメファンから絶賛”される理由
滋賀県、京都府、大阪府などに路線網を有する京阪電鉄(京阪電車)は、鉄道ファンの間では、豪華で快適な座席を提供する鉄道会社として有名だ。そして、アニメ作品とコラボしたラッピング電車が常に話題になることでも知られている。
【ファン歓喜】気合いの入ったデザインが話題「響け!ユーフォニアム」とコラボしたラッピングの京阪電車
現在もアニメ「響け!ユーフォニアム」のラッピング電車を運行しているが、そのデザインの気合いの入り方が凄まじいのだ。一部分だけにキャラのステッカーを貼っているのではない。車体全体にキャラクターのイラストが大きく描かれ、さらにコラボ専用のヘッドマークまで取り付けて運行されている。
そうした電車は、「“痛車”ならぬ“痛電”」「乗るのが恥ずかしい(褒め言葉)」と絶賛されるほどである。京阪の主要路線の一つである石山坂本線は、沿線に石山寺や三井寺、近江神宮などの名所があるのだが、そんな歴史ある地域のなかをアニメのラッピング電車が走り抜けているのだ。

一見すると異様に映るかもしれないが、約15年にわたって継続しており、沿線の風物詩として定着している。同社が(とりわけアニメファンにとって)これほどまでに魅力的で、注目度の高いコラボ企画を実現できるのはなぜなのだろうか。広報担当者に話を聞いた。【取材・文=山内貴範】
「けいおん!」がコラボのきっかけ
――京阪電鉄では、現在「響け!ユーフォニアム」とのコラボが行われています。石山坂本線におけるラッピング電車の運行や、宇治線では京阪宇治駅や六地蔵駅など、いくつかの駅のホームにコラボ自販機を設置するなど、とことんこだわっていますね。そもそも、アニメコラボが始まったきっかけはなんだったのでしょうか。
広報:2011年、京都アニメーション(以下、京アニ)さん制作の映画「けいおん!」とタイアップしたラッピング電車の運行を開始したことがきっかけです。本タイアップは、グループ会社である叡山電車でのコラボ実績があったことや、制作元である京アニさんが沿線地域に本社を置く会社だったこともあり、お話が進んだと聞いています。
現在コラボを実施しているアニメ「響け!ユーフォニアム」は、作中に京阪電車や宇治線の風景が多数登場しています。制作にあたって、弊社も取材協力をしていることもあって、スタート時からタイアップをしています。作品を共に盛り上げていきたいという想いで、コラボ企画を進めていきました。
――アニメファンからの反響も大きいですよね。SNSを見ると、京阪電鉄の駅巡りを楽しんでいる人もたくさんいるようです。やはり、ファンのみなさんからの評価は高いのではないでしょうか。
広報:そうですね。総じてご好評いただいております。特に「けいおん!」のコラボと同じく、石山坂本線で運行するフルラッピング電車は、スケールの大きいコラボ企画で、毎年ご注目いただいています。今年はアニメの主人公たちによる車内案内放送も流しています。ぜひ、ご乗車してお楽しみいただければと思います。
また、ほかにも作品の舞台を巡る「舞台探訪MAP」やスタンプラリーを通じて、ファンの方が沿線地域を巡ってくださっています。沿線を初めて訪れる方にも、「まちの魅力を知るきっかけとなった」「作品の世界観を体現したコラボで没入感がある」と、喜んでいただいております。
デザインが美しい理由は
――ラッピング電車のデザインが圧倒的に美しく、センスがあると感じます。魅力的なデザインを実現できるのはなぜでしょうか。
広報:もちろん弊社だけでなく、他社様も素晴らしいデザインを実現されていると思いますが、やはり京アニさんによる描き下ろしイラストが非常に優れていることも、支持を集める大きな理由かと存じます。私たちも毎年新鮮にお楽しみいただけるように、テーマカラーやキャラクターの見せ方を変えて取り組んでいます。こうした複合的な要因によって、注目度が高まるのだと思っています。
――「響け!ユーフォニアム」のコラボは、京阪電鉄の名物として定着していますよね。キャラクターの声が流れる自販機をホームに設置したり、京都タワーホテルアネックスにコラボルームを設けたりと、凝りに凝った企画になっていると思います。
広報:ありがたいことに、コラボ企画を楽しみにお待ちいただいているファンの方も増えてきました。そのため、リピーターのお客さまにも変わらずお楽しみいただけるように、宇治市さまはもちろん、京阪グループが一体となった企画を展開しています。新しい企画にも積極的に取り組みながら、規模を拡大しているところです。
作品の世界観と沿線の魅力を伝えたい
――こうした企画を考えるにあたって、ファンの意見を取り入れたりすることはあるのでしょうか。
広報:アンケートなどでいただいたご意見はすべて拝見していますし、企画検討の参考にしています。
――素晴らしいですね。今後のコラボにも注目が集まっていると思いますが、最後にメッセージをお願いします。
広報:今後も、私たちは作品の世界観と沿線の魅力が伝わり、多くの方に喜んでいただける企画を検討してまいります。ぜひ、お楽しみいただけますと幸いです。
ライター・山内貴範
デイリー新潮編集部
