国民年金についてです。過去に「猶予」となっている期間がありますが、この場合は追納できますか? 免除の場合は未納のままで満額をもらえるのでしょうか?
国民年金の「猶予」期間について追納できるか?
過去に「猶予」となっている期間がある場合、本人の申し出によって猶予された国民年金保険料(以下「保険料」といいます)を納付することができます。
これを、「追納」といいます。追納は猶予された保険料だけでなく、免除されたり学生納付特例を利用したりして納付していない保険料についても行うことができます。
ただし、追納ができるのは「追納が承認された月の前10年以内の期間」に限られます。例えば、令和8年4月に追納が承認された場合、平成28年4月分以前の保険料については追納することはできません。
また、免除・猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降に保険料を追納する場合は、当時の保険料に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。この加算額を、「追納加算額」といいます。
例えば、令和8年度に追納する場合、令和7年度分・令和6年度分については追納加算額がありませんが、令和5年度分から平成28年度分については追納加算があります。
保険料が「免除」の場合は未納のままでも満額を受け取れるのか?
老齢基礎年金(国民年金)の年金額は、図表1のように計算します。
図表1
※出典:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
図表1の計算式は、国民年金の加入期間40年において、全ての保険料を納付すれば満額になることを表しています。
「84万7300円(84万4900円)」は令和8年4月分からの老齢基礎年金の満額を、分母の「40年(加入可能年数)×12月」は国民年金の加入期間(20歳から60歳まで)を、分子は保険料納付済み月数(免除の場合は免除割合に応じて加重平均した月数)をそれぞれ表しています。なお、年金額(満額)は年度により変動します。
この計算式から、免除期間の保険料が未納のままだと老齢基礎年金の満額を受け取ることはできないことが分かります。老齢基礎年金の満額を受け取るためには、免除期間の保険料について追納を行い、「納付済み」にする必要があります。
また、免除期間については満額を受け取れないにしろ年金額を計算する際にその期間が年金額に反映されますが、猶予期間については追納しないかぎり年金額に反映されませんので注意が必要です。
まとめ
本記事では、「国民年金の『猶予』期間について追納できるか?」「保険料が『免除』の場合は未納のままでも満額を受け取れるのか?」について解説しました。まとめると、以下のとおりです。
・国民年金の「猶予」期間については追納できる
・保険料が「免除」の場合、未納のままでは満額を受け取ることができない
保険料の免除・猶予・学生納付特例を受けた場合、追納が承認された月の前10年以内の期間であれば、追納することができます。ただし、経過期間に応じて追納加算額が上乗せされるため注意が必要です。
保険料が免除された場合、未納のままだとその期間は年金額の計算に反映されるものの、年金は満額を受け取ることはできません。満額の年金を受け取るためには追納する必要があります。
また、猶予の場合は未納のままでは年金額の計算に全く反映されません。したがって、免除期間・猶予期間ともに、満額の年金を受け取るためにも追納するのがよいでしょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 上級心理カウンセラー
