丸佳浩外野手と坂本勇人内野手

写真拡大

 ここまで10勝9敗とセ・リーグ3位につけている阿部巨人。ヤクルト、阪神の2強に食らいついていきたいところであるが、起用法を巡って、賛否かまびすしいのが2人のベテラン、丸佳浩坂本勇人である。MVP獲得経験もある名選手だが、共に37歳、衰えは否めない。阿部監督は大物ベテランの処遇をどう考えているのか。取材した。

 ***

【写真12枚】慰謝料は550万円! 坂本勇人選手「女性かみつき騒動」の現場 宮崎市内の歓楽街・西橘通り

衰えは明白

 丸は広島カープ時代、主軸を打ち、2016年からのリーグ3連覇に大きく貢献。17〜18年には2年続けてMVPを獲得している。18年オフに巨人にFA移籍。以降もクリーンナップを務めたが、昨年は怪我の影響もあり、出場90試合、本塁打も6本に留まった。通算2000本安打まであと71本に迫った今季も、開幕からベンチを温めることが続き、18試合中、出場は8試合、スタメンはわずか3試合に留まり、ヒットはわずか一本で打率は.071に落ち込んでいる。

丸佳浩外野手と坂本勇人内野手

 一方の坂本は、高卒で巨人にドラフト1位で入団した生え抜き。2年目に遊撃手のレギュラーを掴むと、以後は首位打者やMVPを獲得するなど、巨人の顔として活躍し続けてきた。通算2450安打は現時点でもNPB史上11位、通算本塁打は299本と300号まであと一本に迫っている。が、昨年は打率.208、本塁打3本とレギュラー定着以降最低の成績に終わり、今季に復活をかけている。オープン戦は打撃好調で開幕スタメンに名を連ねたが、ここまで打率は.111と深刻な打撃不振に。現在は代打起用が主である。

 年俸は共に昨年、大幅減となっている。丸は2年契約を結んだが、推定年俸は2億円で1億2000万円の減。坂本は背水の1年契約だが、減額上限いっぱい2億円減の3億円となった。

「2人ともとりわけ打撃面での衰えは明白です。威力あるストレートに目が追い付いていない場面が目立ちます」(巨人担当記者)

衰えると“ポイ捨て”

 今季もこのままの成績が続けば、いよいよ“その先”が見えてくる2人。しかし、レジェンド級の選手だけに、無下にはできない。首脳陣は両者の処遇をどう考えているのか。

「丸については、昨オフ、日ハムから松本剛をFAで獲得した影響が大きい。外野レギュラーのひとつを奪われてしまいました。松本自身も打率.245と調子が上がっていませんが、その代役のセンターにはプロ3年目の佐々木俊輔が起用され、丸はライトで時折先発出場するだけです。衰えが目立つとはいえ、2000本まであと70本ですから、我慢して使っていれば達成できない数字ではないとの声も出ていますが、今のところ出場機会は増えていません」(同)

そして20日には登録抹消、2軍降格となった。

 この背景には、もともと巨人がFA獲得選手に冷淡なことあるかもしれない。

「外部から大型選手を取ってはきますが、衰えると“ポイ捨て”する傾向にあります。落合博満、広澤克己、清原和博、江藤智、工藤公康……。いずれも三顧の礼で入団してもらい、貢献した選手ですが最後は他球団に放出している。衰えてくると、代替選手を獲得するなどして干してしまうので。工藤に至ってはプロテクトすらしていなかった」(同)

 同じ2000本安打間近だったのが、村田修一。

「残り135本で、十分達成可能な数字でしたが、2017年オフに戦力外通告されました。NPBへの移籍はかなわず、結局、名球会入りは果たせなかった」(同)

監督と選手の“緩衝材”

 一方の坂本はどうか。

「最大限配慮されている印象があります。監督は昨オフもラジオ番組で“スタメンで出てほしい”と言っていた。実際、オープン戦で結果を残し、開幕スタメンで起用しました。その際には、まだまだやれるっていうのを見せてくれたらうれしい、と」(スポーツライター)

 ちなみに上記のラジオ番組で丸の評価は「困った時の(=に出てくる)ベテランでいてほしい」だった。

「(坂本が)調子が上がらず、3日に打率0割台になった際も、“何かアンラッキーなのも多いので、一本出れば、何かきっかけがあればね、上がっていくとは思います”とフォローしていましたが、さすがに我慢できなくなったのか翌日はスタメンを外しました。が、6試合ぶりに先発復帰させた11日の阪神戦で299号ホームランを打った時は、“まだまだ、あそこに入るんで、大丈夫でしょう”と。その後は代打での起用が主です。巨人の内野手では、2軍に一昨年のドラ1で成長著しい石塚(裕惺)がいる。かつて坂本自身がそうだったように、将来のために1軍に上げ、我慢して使い続けてみるという考えがありますが、そうしようとはしない」(同)

 これには、2人の関係が影響しているのかもしれない。

「阿部監督と坂本は現役時代から“師弟関係”にあります。坂本が若い頃から目をかけ、自主トレに帯同させてきた。阿部監督は現役時代の主将時、若手には昭和スタイルでガミガミいってきましたが、坂本は自分の次の“チームリーダー”と扱い、しっかりリスペクトしていた」(巨人OB)。

 監督就任後も、阿部は坂本を頼りにしていたという。

「若手選手に厳しく接する中で、監督と選手の間で“緩衝材”となっていたのが、坂本と2023年に広島から復帰した長野(久義)です。長野は球界屈指の人格者として有名で、巨人時代、4歳年下の坂本が最も懐いていた先輩。原政権下で2012〜2014年にリーグ3連覇を達成した時の主力が阿部―坂本―長野ですが、その3人の関係はそのまま阿部政権下でも生きていました。阿部の厳しい物言いでシュンとする若手をフォローしてきた」(同)

 昨オフで、その長野が引退。

「残る坂本は、阿部監督にとっても、より重要な存在となった」(同)

将来の監督候補

 いずれにせよ、年齢と衰えの速度を考えれば、2人の現役生活が今後、長く続くことは考えづらい。今後の両者はどうなるのか。

「巨人はFA獲得の際、将来の指導者として手形を切っているケースが少なくない。引退すれば、丸も指導者として迎えられる可能性はあります」(前出・巨人担当記者)

 一方の坂本は、

「阿部監督は今季、3年契約の最終年。今年で退任すれば、次の監督が誰かにもよりますが、今ほどは重用されなくなるはず。ただ、引退した後の道は明るい。『生え抜きで4番経験者かエース』という、巨人監督の“不文律”に従えば、坂本は有力な候補になります。多くの女性スキャンダルや、東京国税局から約2.4億円の申告漏れを指摘された苦い過去があるのが気になりますが……」(同)

 丸は来年、坂本は今年12月で38歳。38歳と言えば、長嶋茂雄氏、松井秀喜氏の現役最終年の年でもあった。黄昏を迎えた2人の名選手は、それぞれどのようなキャリアの締めくくりを見せるのだろうか。

 関連記事【【巨人・坂本勇人かみつき事件】被害女性への慰謝料は「550万円」【スクープその後】】【巨人・坂本勇人「2億4000万円」申告漏れ 実兄も「一般的にはおかしいやろう」と首を傾げ…1年前から浮上していた「料亭や高級クラブの飲食費を経費で計上」問題】では、女性にカネ…坂本選手が起こした数々のスキャンダルについて詳報している。

小田義天(おだ・ぎてん) スポーツライター

デイリー新潮編集部