伊勢ヶ濱親方への処分を疑問視する声も(時事通信フォト)

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 元横綱・照ノ富士の伊勢ヶ濱親方による弟子への暴力問題は、相撲協会による処分が下った後も大きな火種を残した。処分の内容に疑義が残ることに加え、伊勢ヶ濱親方の手掛けようとした巨大な「新ビジネス」に影響が及ぶことになると見られているからだ──。

親方衆の中にも"大甘処分"を批判する声

 弟子の伯乃富士に暴力を振るった伊勢ヶ濱親方に対し、4月9日に開かれた相撲協会の臨時理事会では、委員待遇年寄からヒラ年寄への「2階級降格」と3か月の報酬10%減額という処分が下された。横綱経験者が協会で最下位の年寄に降格するのは、2024年2月に弟子の暴力問題で処分を受けた元横綱・白鵬の宮城野親方(当時)以来のことだ。

 しかし、「処分に一貫性がない」と疑問視する声が根強くある。

「白鵬のケースでは宮城野部屋が閉鎖され、伊勢ヶ濱部屋に吸収された。部屋再興の道筋が見えず昨年6月に白鵬は退職したが、親方本人による暴力なのに照ノ富士は師匠としての職務を継続できる。部屋付きの親方4人との集団指導体制にするというが、元横綱の照ノ富士の影響力が大きいままなのは明らか。これでは"大甘処分"だと批判する声が親方衆のなかにもある」(相撲担当記者)

 伊勢ヶ濱親方が問題を自主的に申告し、常習性もないと判断されたため処分が軽減されたというが、どこまで検証がなされたかの疑義も呈される。

「伯乃富士は、タニマチとの宴席で同席した女性の太ももを触るなど不適切な行為をしており、当然本人に問題がある。しかし、酒癖が悪いことで有名で、同様のトラブルで外出禁止になったこともある伯乃富士を深夜3時まで酒席に連れて飲ませていた師匠の責任を問う声も大きい」(同前)

「むしろ別の問題が話し合われた」

 それでも、処分内容について異議を唱える理事はいなかった。関取7人を含む32人の力士を抱える角界最大の部屋に、閉鎖などの判断は下せなかったわけだ。協会関係者が言う。

「貴乃花や白鵬といった大横綱が協会の厳しい処分で退職に追い込まれており、これ以上、横綱経験者が組織を去る展開は避けたいとの考えもあったのでしょう」

 ただ、別の協会関係者は「臨時理事会では、むしろ伊勢ヶ濱親方をめぐる別の問題が話し合われた」と語る。

「部屋が旅行会社と契約し、インバウンド向けの稽古見学ツアーを派手に展開していることが議題になったのです。通訳ガイドが付いた朝稽古の見学ツアー、ちゃんこ体験、力士との記念撮影などはインバウンド特需のなかで多くの部屋がやっていることだが、伊勢ヶ濱部屋はそうしたツアーを拡大し、土俵を派手にカネ儲けに使っていると問題視されたといいます」

 伊勢ヶ濱部屋のビジネスとはどのようなものだったのか。関連記事では、その詳細な内容にくわえて、問題視されたといわれるインバウンド観光客向けのツアー内容がわかる画像、そして総額25億円クラスといわれている新部屋建設プロジェクトを問題視する相撲協会の姿勢などを詳報している。

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※週刊ポスト2026年5月1日号