【酒飲みの新常識】酒をやめるか悩む前に筋肉をつけてリスクに負けない体づくり
酒は少量であっても、肝臓がんや大腸がんをはじめとする病気にかかるリスクがある。こちらでも過去に取り上げたが、2018年、この事実が世界的権威のある医学雑誌「ランセット」において明らかになった。しかし、だからといって酒飲みは酒をやめたりしない。とはいえ、健康面は気になる。ではどうしたらいいのか? リスクを避けるだけでなく、リスクに対抗できる体を作ればいいのだ。
そこで注目されるのが筋肉である。筋肉は体内で最も多くのブドウ糖を消費する「代謝の中心」。一方で、がんを含む腫瘍もまた、ブドウ糖を大量に必要とする。つまり、筋肉も腫瘍も同じブドウ糖を必要とする存在というワケ。ただし重要なのは、筋肉は動いてこそ本領を発揮するという点。運動によって筋肉のブドウ糖の取り込みは大きく高まり、体内のエネルギーの流れが変わるということだ。
この関係を裏づけるように、25年、米イェール大学の研究で、「運動能力の高いマウスほど腫瘍の成長が遅い」ことが示された。筋肉がブドウ糖を先に消費することで、腫瘍に回る燃料が減っていたのである。
では、具体的な対策はどうするかといったら、答えは実にシンプル。運動して、筋肉を使えばいいのだ。特別なことをしなくてもいい。まずは日常の中で、体を動かす時間を増やせばいい。例えば、早歩きで歩く、エレベーターではなく階段を使う、歯磨き中にスクワットを数回でもいいから習慣にする。こうした積み重ねによって、運動と筋肉量の両方が揃い、ブドウ糖というエネルギー源が筋肉に使われるのか、それとも腫瘍に回るのか、その行き先が大きく変わるのだ。
もし余裕があれば、さらに軽い筋トレを取り入れたい。筋肉量が増えれば、ブドウ糖を処理できる受け皿も大きくなるからだ。酒をやめるかどうかで悩む前に、まずは筋肉をつけて体を動かす。それがリスクに負けない体を作る。
