山本太郎代表

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【全2回(前編/後編)の後編】

 公党として恥ずべき卑劣な行為である。「週刊新潮」が3月19日号で「国会議員の秘書給与を組織的に詐取している」と報じたれいわ新選組。告発者に脅しとも取れる内容証明を送り付けていた。

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【実際の写真】れいわが“告発者”に送り付けた「恫喝文書」 山本太郎代表のLINE画像も

「守秘義務」違反

「封筒に『れいわ』とあるのを見て、催促していた離職票をようやく返送してくれたと思ったんです。封を開けて愕然(がくぜん)とし、同時に怒りが込み上げてきました」

 こう語るのは、「週刊新潮」3月19日号で多ケ谷亮前衆院議員と共に、「れいわには所属国会議員が公設秘書枠を党に上納する慣行がある」と告発したB氏である。

山本太郎代表

 B氏に届いた「れいわ新選組総務経理部」からの内容証明は、「週刊新潮」がれいわに質問状を送った3月9日付。それは、1月に退職したB氏が2月4日に党と交わした「守秘義務」を確認するところから始まる。

〈貴殿は、本件に関連して知り得た通知人の内部事情、契約関係その他一切の情報について第三者への開示または漏洩してはならない守秘義務を負うことを合意しています〉

 そして、B氏の告発は契約違反に当たるとして、解決金240万円の返還を求めたのである。

和解金は「慰謝料」

 B氏が退職に伴い、党と守秘義務を含む和解合意書を交わしたのは事実である。

 ただし、和解金は「口止め料」ではなく、デタラメな働き方を強いられたことに対する「慰謝料」として受け取ったつもりだった。

「昨年9月ごろ、公設秘書枠に入っていた党職員の玉突き人事が発生し、党から上村先生の第二秘書を辞職するよう求められました。その際、正職員に戻る契約書を交わしたのに、11月に無理やり業務委託に変更させられた。しかも、働き方は以前と一緒で党の指示で働かされるだけの状態でした。労働者の権利を守らない組織ではこれ以上働けないと思って辞めました。合意書には何の解決金かは具体的に書かれておらず、しかも、240万円のうち120万円は約束されていた1月分と冬のボーナス分で正当な報酬です」(B氏)

 B氏はまだ20代前半。再就職先は決まっておらず生活は苦しいが、

「こんな汚い脅迫に黙っているつもりはない。やましいところはないのですべて明かします。党が返せと請求するなら120万円はたたき返したって構いません」

「公益通報することまで禁ずる合意とは言い難い」

「週刊新潮」は取材時に一連の経緯を確認した上で、B氏の告発は犯罪行為の公益通報にあたり、守秘義務に抵触しないと判断して報道した。

 元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔氏はこう指摘する。

「公党が金銭的な圧力をかけて不祥事を揉み消そうとしているなら不適切。B氏と党の和解が勤務上のトラブルについてのものなら、違法行為の疑いを公益通報することまで禁ずる合意とは言い難いでしょう。金銭の返還請求は認められない可能性があります」

 れいわに公益通報つぶしではないかと質問状を送ると、

「質問内容は山本も含め共有していますが、期限までにまとめきれません。19日に記者会見を開くのでそれまでに用意致します」

 弱者に寄り添う、つまり「一人も取り残さない」と訴えてきた山本氏の、これが“本性”なのか。

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 19日の記者会見に週刊新潮記者は参加し、B氏への内容証明送付について問いただした。公益通報潰しではないかという質問に対し、高井崇志副幹事長は次のように否定した。

「解決金を支払い和解した私的な紛争については守秘義務がかかっているということをお伝えしたくて、B氏にあの文章を送りました。文章全文を読んでいただければわかると思いますが、公益通報潰しだとは考えておりません」

 内容証明を送る際の意思決定には「山本代表も入っている」とし、実際B氏に解決金の返金を要求するつもりなのか、という問いにはこう答えた。

「和解合意書には守秘義務条項が定められており、当該合意に違反する行為が確認された場合には、契約に基づき必要な対応を検討する可能性があります。ただし、個別の対応については現時点ではまだ決まっておりません」

【前編】では、れいわ新選組がB氏に送った“恫喝文書”の中身について詳報している。

「週刊新潮」2026年3月26日号 掲載