『ルノー・グランカングー』ついに日本導入!特別仕様『クルール』1本勝負【3列7人乗りMPV市場競争激化】
2列シートモデルより420mmも長い
ルノー・ジャポンは1月15日、特別仕様車『ルノー・グランカングー・クルール』を発表。2月5日から販売開始する。『グラン(Grand)』の名が示すとおり、こちらはロングホイールベースの3列7人乗り仕様だ。
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今回は通常ラインナップモデルではなく特別仕様ということで、ボディカラーは『ベージュサハラ』のみ。16インチのブラックホイール、オールシーズンタイヤ(ミシュラン・クロスクライメート)、エクステンデッドグリップなどを採用する『クルール』1グレードでの導入となる。

特別仕様車『ルノー・グランカングー・クルール』を発表。3列7人乗りとなる。 佐藤亮太
全長は4490mmと、2列5人乗りモデルより420mmも長く、ホイールベースも3100mmと同じく190mm長くなっている。延長分はBピラーより後方に充てられ、その結果、後席のスライドドア開口部が180mm長い、830mmとなった。
3列目シートは2列目と同じものを使用
3列目のシートは2列目と同じものが使用され、130mmのスライドが可能。折り畳み、跳ね上げ、取り外しも可能となっている。そのためシートアレンジは様々な形が考えられ、理論上は1024通りになるという。7席中5席がアイソフィックス・チャイルドシートに対応していることも注目だ。
ラゲッジスペースは7人乗車時で500Lあり、2、3列シートを取り外すと、実に3050Lまで拡大する。これはロードバイクを分解せずに収納でき、他にもヘビーキャンプ、車中泊、大型犬との旅行でも活躍することが想定されている。

3列目のシートは2列目と同じものが使用され、130mmのスライドが可能。 佐藤亮太
エンジンは2列5人乗りにも用意されている1.3Lの直列4気筒ターボで、131ps/240Nmのスペック。残念ながら3列7人乗り+ディーゼルは本国にも設定がないそうで、日本導入も叶わなかった。トランスミッションは7速AT(EDC)となる。
日本仕様はもちろんダブルバックドア
今回のグランカングーでポイントとなるのは、『ダブルバックドア』と呼ばれるテールゲートの両開き採用だ。もちろん2列5人乗りでも採用されており、日本で販売されている歴代カングーの代名詞になっている。
しかしフランス本国では、2列5人乗りには設定があるものの需要がないためほとんど販売されず、3列7人乗りにはそもそも設定がないそう。どちらかと言えば、商用仕様のために用意されているものだ。

お馴染み『ダブルバックドア』と呼ばれる、両開きテールゲートを採用。 佐藤亮太
そのため、『ダブルバックドア+3列7人乗り』の日本仕様を作るためにハーネスなど細かい設定が必要となり、思いのほか時間を要したという。しかしなるべく早く日本に導入したいという想いから、1グレード特別仕様に絞ったそうだ。
ボディカラーにベージュが選ばれたのは、既に2列5人乗りで販売好調だった実績があるから。グランカングーは特別仕様という形で日本導入を続けていくようで、今後、違う色になる可能性は大いにある。
輸入車+3列7人乗りシートの需要増
ではなぜこれほどまでに急ぐ必要があったかと言えば、『輸入車+3列7人乗りシート』の需要が高まっているからだ。グランカングーの販売台数は、カングー全体の半分くらいになることを見込んでいるほど。
ルノー・ジャポンによると、輸入車CセグメントMPV市場は、3列7人乗りが年々販売を伸ばしているという。昨年は2列5人乗りであるカングーを除くと、市場全体の57%が3列7人乗りとなり、ついに半数を上回った。

ホイールベースは3100mmで、2列5人乗りよりも190mm長くなっている。 佐藤亮太
以前は輸入車の個性が求められ2列5人乗りで十分だったが、市場が成熟し、国産車と同様に『いざという時にたくさん乗れて、たくさん積載できる』3列7人乗りの需要が高まってきた。『ロングホイールベースならではの乗り心地のよさ』も好調の要因だとルノー・ジャポンは分析している。
我慢を強いられがちな3列目に快適性を
その点で、グランカングーは3列目も2列目と同じシートであることが強みとなっている。我慢を強いられがちな、3列目の快適性向上に貢献するからだ。
実車で確認したところ、開口部の広さは数字以上の印象で、見逃せないのはスライドドアの軽さ。ルノー・ジャポン社内実測値は約7kgで、一般的な平均値約13kgに対し大幅な軽さとなっている。これは2列5人乗りと共通だが、85度まで開くフロントドアも含めてカングーの実用性を感じさせる部分。

後席のスライドドア開口部は2列5人乗りよりも180mm長い、830mmとなった。 佐藤亮太
ちなみに欧州車らしく年々細かい改良が加えられていて、今回のグランカングーでは、前後ライトとエアコン吹き出し口付近のシルバー加飾がブラックに変更されている。今後は2列5人乗りも順次切り替わる予定だ。
日本のカングーは独自の文化
日本のカングーは世界的に見ると独自の文化だ。ダブルバックドアやブラックバンパーは乗用車と商用車の中間と言える仕様で、そういった組み合わせがフランス本国に存在しないため、日本仕様実現にはなかなかの苦労があると聞く。
しかしその一方で、日本仕様を見て『同じものを』と本国に求めた市場もあるそうで、2年前の『カングージャンボリー』(オーナーイベント)には役員クラスが来日。その需要の高さを納得して帰国したという話もある。

ダブルバックドアやブラックバンパーの組み合わせが実にカングーらしい。 佐藤亮太
そういった流れの中で実現したルノー・ジャポンらしい日本仕様、『ルノー・グランカングー・クルール』。気になる価格は459万円と、現実的な線におさえてきた。関係者もかなり頑張ったと語っており、ライバルと十分な競争力があると言えるだろう。
聞けば聞くほどかなり魅力的な商品内容で、どうやら、3列7人乗りMPV市場はますます競争が激化しそうである。
