この記事をまとめると

■ロボットは人型よりも産業分野で多様に実用化されてきた

■建設の現場では油圧ショベル自動化システム「ヨイショ投入くん」が登場

■電動ホイールローダー「L120 Electric」など建機の電動化にも注目

一般に比べ産業界ではロボットが普及している

 鉄人28号鉄腕アトムにはじまり、機動戦士ガンダム機動警察パトレイバーで頂点を迎えたロボットアニメ。いまでは老若男女を問わず、実現可能な「夢」として多くの支持を得ているといってもよいだろう。ホンダのアシモやソフトバンクのペッパーくんなどを見ていると、ロボットの実用化はすぐそこにまできているように感じられる。

 ところが、産業界ではずいぶん以前からロボットの導入が進められている。一般的に「ロボット=人型」だと思われがちだが、実際は「人型」のほうが珍しいぐらいである。オートメーション化された工場などでは、アーム型などのさまざまな形状をした組み立てロボットといったものがたくさん活躍しているのだ。

 これは自動車の世界でも同じこと。いま実用化に向かって各地で実証実験などが行われている自動運転車両も、一種のロボットだと考えてもよいのではないだろうか。なかでも、土木・建設などの工事現場といった閉鎖空間で活躍する建設機械は、一般車両より人やほかの車両との接触が少ないこともあって、すでに自動運転が実用化段階に入っているのだ。

 ただ、建設機械の自動運転を完璧に行うためには相応のコストがかかる。そこで、中堅・中小規模の建設事業者でも手軽に導入できるようにするべく、自動化する機能を絞ったあとづけタイプのシステムが開発された。それが、油圧ショベルの投入工程を自動化する「ヨイショ投入くん」である。

 このシステムは、既存の電子制御式油圧ショベル(一部モデル)に遠隔装置「Model E」を取り付け、操作や設定をタブレットで行う。主な機能は、LiDARによる掘削対象の自動認識、有人・無人モードの切り替え、ひとりのオペレーターで複数台のコントロールなどだ。これにより、作業員の安全性向上や省人化を実現することが可能になる。

建設機械こそ電動化にうってつけ

 建設機械やトラックを自動化する場合、車両の駆動は内燃機関を利用し、システムの動力や信号は電気を使用するのが一般的だ。これは、大型車両が1回の充電で稼働できる時間や距離が短いため。しかし、建設機械は物理的に限られた範囲で使用される。現場に充電設備を用意すれば、問題を解決することができるのだ。

 こういった背景から、建設機械は電動車両の導入も盛んなのだが、大型ホイールローダーにも注目されている電動車両がある。それが、ボルボの「L120 Electric」だ。建設機械にも厳しい環境性能が求められる昨今、電動化は内燃機関から排出されるCO2・NOx・SOx・PMなどの有害物質を、大幅に抑制することができる。また、内燃機関関連部品が使用されていないため、メンテナンスコストも低く抑えられるのだ。さらに、フル充電までの時間が最速で約90分、稼働時間は約9時間なので稼働効率が高い。

 本機種はオペレーターによる操縦が必要だが、電動車なので「ヨイショ投入くん」のようなあとづけや、改造による自動運転車化も比較的簡単にできるようになるかもしれない。さらに、ショベルやローダーはパーツを変更することでさまざまな機能をもつことができるので、AIが用途に応じてパーツを選択・交換するようになることも考えられよう。ひょっとしたら、建設機械はアニメに出てくるようなロボットにもっとも近いところに位置しているのかもしれない。