「べらぼう」に登場する江戸時代の書物、赤本・青本・黄表紙や、絵草紙・戯作の違いをまとめ解説!
大河ドラマ「べらぼう」楽しんでいますか?
話が進むにつれ、いろいろな本の総称が登場してきましたね。当初は丁寧に説明があったものの、それをすっかり忘れてしまった方もいるでしょう。
あらためて復習しましょう!
時代背景
江戸時代に木版による印刷・出版技術が普及すると、大量に安く本を出版することが可能になりました。「桃太郎」などの数々の昔話も読み物になり、出版されることで読み継がれるようになります。
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加えて、寺子屋に通う子供や丁稚奉公で働く子供なども実用的な計算や読み書きを学ぶ機会が増え、識字率もアップ。戦が無くなって久しく、人々は娯楽を求めて、貸本屋で本を借りたり、本屋で購入するのが当たり前のようになりました。
本屋の種類
・書物問屋(しょもつどいや)…元和年間に京都において始まる。仏教に関する書籍、儒学書、歴史書、辞書、医書、和古典書など内容の硬い本を扱う問屋のこと。これらを出版した版元の書店を書物問屋という。
・地本問屋(じほんどいや)…地本とは「江戸で出版された本」という意味で、娯楽目的の本のこと。地本問屋はそれを取り扱う問屋で、江戸中期以後盛んになりました。
・版元…書籍や浮世絵などを版木に彫り、印刷し、販売まで行う権利を持つ事業者や、問屋(書店)のことを指す。
・本屋…出版と販売を兼ねる業態で、書籍だけでなく浮世絵や瓦版なども扱う。小売店。
本の種類
表紙の色においての分類
・赤本…絵入りの読み物で、表紙が丹色(にいろ、黄味を帯びた赤)で子ども向けの絵本を指します。明治時代にも引き継がれ、濃い赤色の表紙になりました(例:桃太郎、金太郎、ぶんぶく茶釜など)。
・青本…赤本の大人版といったところで、主に武勇伝や合戦物、浄瑠璃などを題材にしたものや、恋愛や遊郭を舞台にした物語など(例:仮名手本忠臣蔵、新田義貞一代記、源氏物語など)。ちなみに表紙は現代の青色ではなく、萌黄色といって、春先に萌え出る若葉のようなさえた黄緑色のことです。日本では新緑のことを青々とした〜という表現を使うのでその意味で「青」本と称します。

青本(『仮名手本忠臣蔵』、絵:鳥居清満、版元:丸屋小兵衛 )
・黒本…恋愛ものや歴史物語、歌舞伎や芝居のあらすじなど。ほぼ内容は青本と同じ。
・黄表紙…黄色い表紙をした小説で、絵と文章が一体となっており、成人向けで物語性が高い本。(例:恋川春町『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)』、山東京伝『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』

黄表紙(恋川春町「金々先生栄花夢」、1775年、国立国会図書館)
・合本…複数の小冊子(草双紙など)をまとめて1冊に製本した書籍のこと。黄表紙を長編化したものが主流で、文化時代以降に特に流行った。
本の内容においての分類
・草双紙…主に女性や子ども向けの出版物で、さし絵と平仮名だけの画面構成からなる。ここから、青本、黄表紙と派生していった。
・絵草紙…青本・黒本・黄表紙など、絵入りの木版刷りの小冊子類。江戸時代の通俗的な読み物の総称。
・戯作…江戸時代の俗文学の総称で、読本(よみほん)・黄表紙・洒落本(しゃれぼん)・人情本の類を指す。
・読本(よみほん)…江戸時代の小説の一種。長編が多く、筋立ても複雑で、伝奇的・教訓的な内容の本を指す(例:南総里見八犬伝)。
・豆本…その名の通り豆の様に小さく、手のひらに収まる携行しやすいサイズの本のこと。短編小説、解説書
思い出しましたか? 意味が重複したり複合的な呼び方もあるので、混乱しますね。それでは、今後も楽しんでいきましょう。
参考:コトバンク、辞書大辞林など


