松本さんの実家

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「私にとって、“ケチ”とはお金を節約するのはもちろんですが、毎日を楽しくするためのものだと思っています」と話すのは、タレントの松本明子さん。松本さんが普段から実践している、約100個の節約術をまとめた著書『この道40年あるもので工夫する松本流ケチ道生活』(アスコム刊)より、実家じまいを経験してわかった“手放す勇気の必要性”について抜粋して紹介します。

求めている人に届けるために“手放す勇気”を持つ

25年間空き家になっていた香川県にある実家の「実家じまい」をしたときに悩んだのが遺品の行き先でした。
祖母はもの持ちがいい人で、使い古した下着すら捨てていなかったので本当に大変。私自身の思い出の品は東京に持って帰ってきたのですが、ご先祖様の日本刀や古い漆器といった骨董品や日本人形、そして母親の着物や洋服は持って帰ってきても置き場がない…。当時はかなり悩みました。
母親の着物や洋服といった衣類は、今後着るかどうかわからないけれど思い出が詰まっているのである程度は持って帰ってきました。着物はなかなか袖を通すことはできないですが、洋服は着られるものは着ています。

【写真】25年間空き家だった、松本明子さんの実家

●遺品の買い取りをお願いしてみたら…

骨董品は「もしかするとお金になるかも?」と地元の骨董品屋さんに買い取りをお願いしたら二束三文の金額で、これにはガッカリ。
古いレコードもたくさんあったので、これは「新宿のレコード買取センターに持っていけばどうにかなるかも?」と思って持っていったら、1枚1、2円しかならず、耳を疑ってしまいました(笑)。
ちなみにピアノは買い取り業者さんに取りにきてもらったのですが、たった4000円。買ったときのことを考えたら、かなり驚く金額でした。

こっちの思い込みで、「歴史もあるし、きっと高値がつくだろう」と皮算用していたのでショックは大きかったですが、まぁゴミになるものだと考えたら「金額がついたほうかも」という気持ちもあります。ゴミとして捨てるなら粗大ゴミ代がかかってしまうので、大量に処分するときは買い取りも視野に入れてみるのもいいかもしれません。

●喪失するのではなく、新たなものとしてよみがえらせる

そしてこのとき勉強になったのが、「ものが多いって考えもの」ということ。

どうしてももったいないという基準で捨てられなくなっていますが、残された人にとっては何が大切なものなのか判断しづらく迷惑だったりするんですよ。

そこで改めて、“手放す勇気”の必要性を感じました。私自身、意外と割り切ってものを捨てられるタイプではないので、ものを手放すときには“今あるものを何かに変化させて新しい思い出をつくる”のが一番。喪失するのではなく、新たなものとしてよみがえらせることが罪悪感のないいい方法なんだと思います。

子どもがいる家庭で困ってしまうのが学生服。卒業したら着ることはないのに、思い出が詰まっているから捨てることもできないと思う親御さんも多いはず。
ちなみにわが家では、息子の制服のなかでもセーターやワイシャツなどは私の普段着として活躍していますが(笑)、それ以外は処理に困った記憶があります。

そんな声を反映してか、最近は卒業生の制服を預かり、新入生がそこで買うことができる学生服のリユース団体があるとのこと。これは本当に素晴らしい! 処分に困っていた人はもちろん、新入生にとっても格安で制服を手に入れることができるので、WinWinの関係です。
家計を抑えたい人を助ける、幸せのリサイクル。もっと広がっていけばいいなと思います。

“もったいない”という思いだけで、使わないものをストックしておくのは、ある意味“もったいない”こと。手放す勇気を持ち、取捨選択していくと、誰かの節約を助けることがあると思います。

松本明子さんの著書『この道40年あるもので工夫する松本流ケチ道生活』(アスコム刊)では、ほかにもさまざまな“ケチ活”テクニックを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。